VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#022 『どうくつ』(本山淳弘/くるくるくるりん/GBA)

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エイティングがおくるアクション・くるくるくるりんより、

本山淳弘作曲、『どうくつ』(仮称)。同名のワールド内のステージで流れる曲です。

ゲームボーイアドバンスのローンチタイトルとして登場した本作。自動でくるくる回る長い棒・ヘリリンを操作し、ステージ内の壁や障害物にぶつからないように工夫しつつゴールを目指すアクションパズルゲームである。シンプルな操作性と単純明快なルール、和やかな雰囲気のシナリオ、それでいて一筋縄では攻略できない絶妙な歯応えがバランスよく共存していて、独特な奥深さを持つ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは本山淳弘氏。フリーランスの作曲家で、エイティング(旧ライジング)の作品には頻繁に参加している。本作以降もくるりんシリーズの作曲を単独で手がけることになる。ポップでファンタジックな世界観にあわせて、本作ではGBA音源の素朴さをうまく活かしたメルヘンチックなサウンドが揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

10あるワールド(全ステージをノーミスでクリアすると出現する隠しステージも含めると11)のうち、5番目に訪れるのがどうくつである。このワールドではヘリリンの回転を逆方向に調整できるバネの仕掛けが非常に多く登場し、ステージのマットな配色と適度に考えさせられるギミックが特徴だが、そこで流れるのがこのシリアス調の勇ましい一曲である。耳に残りやすいイントロから始まり、1ループはそれほど長くないが、曲全体を貫く落ち着いたトーンが、思考力や判断力を研ぎ澄ませる一助となり、長く聴けば聴くほどどうくつの世界に引き込まれるような魅力がある。シンプルだがディープでもある本作の世界観をまとまりよく表現した一曲である。

続編のくるりんパラダイスの『ひみつの国』がまた素敵なんですよね。機会があれば紹介しますが、一見(一聴?)の価値ありです。

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