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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を適当に紹介します。

#035 『大追求 ~成歩堂龍ノ介の覺悟』(北川保昌/大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-/3DS)

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逆転裁判シリーズのスピンオフ作品、大逆転裁判より北川保昌作曲、2の追求BGM、

『大追求 ~成歩堂龍ノ介の覺悟』。裁判のクライマックスで流れます。

時は19世紀末期。法の黎明期たる激動の時代の大日本帝國と大英帝國、二つの国を舞台に繰り広げられる凶悪な犯罪を前に、若き学生弁護士・成歩堂龍ノ介は、異国の大法廷で死神の異名で知られる天才検事に果敢に立ち向かう。細部まで時代背景を意識した世界観に、世紀末独特の退廃感がストーリーの根底に潜み、大逆転裁判シリーズは逆裁シリーズでおなじみの愉快さと哀愁が漂う仕上がりとなっている。

1の成歩堂龍ノ介の冒險では消化不良気味だったシナリオは、続編の本作でひとつの巨大な陰謀として見事に伏線が回収され、勧善懲悪の先に待ち受ける悪人の正義というアンビバレントなテーマを鮮やかに描き出した。特に最終章での法廷は劇場型と言わんばかりの最高潮の盛り上がりを見せ、それを華麗に彩るこの曲は、まさに大追求の名にふさわしい情熱とカタルシスを秘めている。

本作の楽曲は、弦楽器を中心に奏でられるクラシカルな曲調が多く、この曲もその特徴を最大限に活かした出来になっている。爆発するかのように発散されるイントロのストリングスから始まり、本作の副題をそのまま曲名に用いていることの特異性をここぞとばかりに強調する使命感あふれるメロディラインが、どこまでも真っすぐに響き渡る。1ループが決して長くないなかで、全編サビと言っても過言ではない緊張感が、世紀末の大法廷の雰囲気を完璧に再現している。

一本取られた!と言いますか、憎いほど盛り上げ方がうまいな……と感心したものです。