VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#037 『Ronfaure』(植松伸夫/ファイナルファンタジーXI/PS2)

www.youtube.com

スクウェアがおくるRPGファイナルファンタジーより、

植松伸夫作曲、XIの『Ronfaure』。

森林地帯である東ロンフォールと西ロンフォールのフィールドで流れます。

FFシリーズのうち、11作目にして初のオンラインMMORPGとして登場した本作。ヴァナ・ディールと呼ばれる広大な世界で、プレイヤーは自らの分身となるキャラクターを五つの種族から選び、三つの所属国のうち一つに属することになる。当時のオンラインゲームにしては珍しく確固たるストーリーが用意されていて、おなじみのクリスタルをめぐって織り成される冒険譚は、拡張ディスクが発売されるごとに奥深さが増すような仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは植松伸夫氏、谷岡久美氏、松枝賀子氏、水田直志氏の四名。当時スクウェアに所属していたか現在も所属している作曲家たちである。このうちFFサウンドの生みの親である植松氏以外は、いずれも本作がFFシリーズ初参戦(ただし谷岡氏はそれ以前に外伝のチョコボを担当した経験がある)の布陣である。本作は、拡張ディスクにあわせてその都度新規曲が追加されていき、特に後期の楽曲は軒並み水田氏が単独で手がけている。サウンドトラックはオリジナル版、未収録曲を音源化したPLUS版、それぞれのディスクに対応した新曲を収録した拡張版など、複数種類が発売されている。

数ある楽曲のうち、この曲はβテスト時代から用いられている本作最古参の曲である。はじめにサンドリアを所属国として選んだプレイヤーは、街を出て初めて聴くフィールド曲がこの曲であり、冒険の始まりを印象付けるような素朴な初々しさにあふれている。ゆったりとした曲調で奏でられるアコースティックギターと笛の寂寥感あふれる音色は、控えめながらも要所要所で鳴り響くパーカッションやトライアングルの金属音と絡み合って、独特の癒しのリズムを形成する。序盤のフィールドという特性ゆえに故郷と位置付けられることの多いロンフォールの森林地帯において、どことなく民族音楽を彷彿させる旋律は、聴く者を郷愁とすこしの哀愁へと誘ってくれる。

植松さんが本作で最初に作曲したものでもあるそう。ちなみに機種名は便宜上PS2と表記していますが、これは(他の記事でも同様ですが)原則として初出のもののみを記載しています。実際はPC版やXbox360版もありますね。