VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#040 『記憶のない村』(上倉紀行/オプーナ/Wii)

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アルテピアッツァがおくるライフスタイルRPGオプーナより、

上倉紀行作・編曲、『記憶のない村』。フォンテーヌの村で流れます。

ファンシーなキャラクターデザインと温かみのある世界観、それでいて皮肉が効いたディストピア的な世界観が特徴の本作。ランドロール星という惑星に不時着した主人公・オプーナは、はぐれてしまった家族を探しながら故郷の星へと帰る手立てを見つけるべく、まずはランドロール星での生活を始めることとなる。この星で活動するには各種のライセンスの取得が不可欠であり、釣りや占いなど多種多様なライフスタイルが用意されている。独創的な魅力を持った仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは阿部公弘氏、岩田匡治氏、金田充弘氏、上倉紀行氏、崎元仁氏、並木学氏の六名。いずれも当時、音楽制作会社ベイシスケイプに所属していたか現在もしている作曲家たちである。このうちメインテーマを手がけた崎元氏を中心に、その旋律を様々な形でアレンジすることで楽曲全体に統一感を持たせている。また、ランドロール星の地区ごとに、たとえばトキオネなら崎元氏、ライフボーンなら並木氏、アルティエラなら上倉氏、といった調子で作曲家それぞれの担当分がある程度固められていて、エレクトロニカアンビエント系のバラエティ豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックはブックレット付きで全3枚組で発売されている。

芸術と芸能を司るアルティエラ地区のなかでも、フォンテーヌの村で流れるのがこの曲である。アルティエラ全体のメインテーマである『アルティエラにて』(作曲は上倉氏、編曲は阿部氏)のオリエンタルな曲調を、上倉氏自身のセルフアレンジという形で、アコースティックギターやバイオリンを駆使してヒーリングミュージック風に仕上げている。同じくメロディーを共有する『夕暮れ都市』(編曲は岩田氏)のエレクトロニックな雰囲気とは一味違う、独特な安寧に満ちた音使いが、安らかに癒しをもたらしてくれる。ちなみに題名にある通り、この村の住民たちは古の遺跡を守っているということ以外一切記憶を持ち合わせておらず、その衝撃的な設定と、素朴に突き刺さる叙情的な音色とが、本作の不思議な魅力をひとまとめに体現している。

ディストピアものっていいですね。『アルティエラにて』(上)と『夕暮れ都市』(下)もあわせてどうぞ。

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