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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#041 『ロウラルメインテーマ』(永松亮/ゼルダの伝説 神々のトライフォース2/3DS)

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任天堂がおくるアクションアドベンチャーゼルダの伝説より、

近藤浩治作曲・永松亮編曲、神々のトライフォース2の『ロウラルメインテーマ』。

ロウラルのフィールド曲で、原曲は前作の『裏の地上』。

ゼルダの伝説シリーズのうち、神々のトライフォースの正統続編として22年越しに登場した本作。前作の冒険よりはるか未来の時代を舞台に、同じ世界の同じフィールドで、リンクとゼルダの真新しい冒険が繰り広げられる。おなじみのハイラルの地のほかに、何もかもが対照的なロウラルという別世界があり、リンク自らが壁の亀裂に侵入して壁画に変身するギミックや、3DSならではの立体視に対応した高低差を駆使しながら、両方の世界を行き来することになる。懐かしさと新しさの調和が取れた仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは永松亮氏。当時、任天堂に所属していた作曲家で、新規曲の作曲とともに、前作を担当した近藤浩治氏による既存曲のアレンジも手がけている。本作では、オーケストレーションを得意とする永松氏の手腕が遺憾なく発揮されたダイナミックな楽曲が揃っていて、スーファミから3DSへの音源の進化を鮮烈に印象付けてくれる。サウンドトラックはクラブニンテンドーの特典として配布されていたほか、シリーズ30周年記念盤にも一部の楽曲が収録されている。

前作ではもっぱら闇の世界という呼称が用いられたハイラルの裏側の世界は、本作ではロウラルという地名で呼ばれることになるが、そのロウラルで流れるのがこの曲である。物語を進めると『ロウラルメインテーマ-物語後半』という別アレンジも登場し、そちらが豪華なオーケストラ調であるのに対し、こちらはイントロこそ管弦楽器が華やかに合奏するが、以降はフィドルとフォークギターを中心した質素な民族調となっている。その渋く勇ましい音色は、闇の世界らしいダークな一面を含みつつも、ギターの軽快な演奏によって力強く鮮やかな印象も与える。独特な哀愁と歯切れの良い躍動感を併せ持つ一曲である。

原曲の良さを非常にうまく引き出していますね。物語後半のほうはさながら映画音楽のようなインパクトです。あわせてどうぞ。

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