VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#060 『囂々』(永松亮/スプラトゥーン2/NS)

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任天堂がおくるアクションシューティング・スプラトゥーンより、

永松亮作曲、2の『囂々』。

サーモンランの通常WAVEで流れる曲で、読みは「ごうごう」。

意味は「やかましいさま、さわがしいさま」。

スプラトゥーンシリーズのナンバリング2作目にあたる本作。前作でおなじみのナワバリバトルやガチマッチはそのままに、マニューバーをはじめとする新たなメインウェポンやすべて一新されたスペシャルウェポンなど、新ブキが数多く登場した。オフラインのヒーローモードに加え、オンラインで協力し合うサーモンランという新たな遊びも追加され、仲間と一緒に迫りくるシャケ(敵CPU)がドロップするイクラを指定時間内に一定数納入することになる。アップデートでガチアサリなる新ルールが導入されたほか、有料DLCとしてイカではなくタコになり切るエキスパンションパスなども発売され、前作から順当に遊びの幅が広がった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは永松亮氏、藤井志帆氏、峰岸透氏の三名。アップデートの際に一曲のみだが早崎あすか氏も参加している。いずれも任天堂に所属する作曲家たちである。前作は藤井氏と峰岸氏が中心となって作曲を手がけたが、本作からは永松亮氏も加わり、永松氏はサーモンラン関係の全曲を単独で作曲している。本作の楽曲は前作同様、作中のイカの若者たちがこよなく愛する音楽、というコンセプトでつくられていて、曲ごとに架空のアーティストが演奏している設定になっているなど、世界観の形成にこだわりを感じさせる。サウンドトラックはイカの声などの効果音も含めて収録されていて、有料DLCの追加曲を収録したものや各地のライブ音源を収録したものも別途発売されている。

サーモンランのBGMを演奏するのはω-3(オメガスリー)。チェロ、ティンパニ、DJという尖った構成のスリーピースバンドである。通常WAVEで流れるこの曲は、8分の7拍子というかなり変則的なリズムが特徴の前衛的なナンバーである。優雅な音色を奏でるチェロによる予測不能な旋律、やけに鮮明に響くティンパニの暴力的なビート、そこに奇妙な電子音やハンドクラップが組み合わさることで、プレイヤー側にとって、協力プレイに必要不可欠な謎の連帯感のようなものを生み出す。一方で、そのセンスあふれるシュールなサウンドは、次から次へと猛進するという、敵側のシャケの立場からしても士気を高める効果があるように感じられる。やかましくもグルーヴィーな一曲である。

ジャンルとしては……アヴァンギャルドなインダストリアル・ロック、らへんでしょうか。こういう普段耳にする機会が限られる音楽を人気タイトルで取り入れてくれると、音楽の間口が広がりますね。