VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#075 『prime # 4507』(坂本英城/無限回廊 光と影の箱/PS3)

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SCEがおくる影絵のパズルゲーム・無限回廊より、

坂本英城作曲、光と影の箱の『prime # 4507』。本作唯一の曲。

錯視を用いたパズルゲーム・無限回廊の続編にあたる本作。PS Moveを懐中電灯に見立て、ギミック満載のステージを明るく照らすことで、そこにできた影の上を主人公に歩かせ、ゴールへと導いていく。前作はモノクロで統一されていたが、本作から新たに色の概念を導入することで、落ち着いた雰囲気を保ちつつ、色彩豊かな作風へと進化した。直感的な操作方法と相まって、アクション性とパズル性を両立したセンスあふれる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは坂本英城氏。音楽制作会社ノイジークロークの代表で、前作に引き続き本作でも単独で作曲している。氏は前作でも思考の手助けとなるクラシック調の楽曲を多く作曲したが、本作では今までにない斬新な挑戦に臨んだ。あろうことか、本作に収録されているのはたった1曲。その長さ、75分強。ゲーム音楽史上最長の曲としてギネスにも登録されていて、サウンドトラックに収録されているのも当然1曲のみとなっている。

本作唯一の曲として、ゲーム中ずっと流れ続けるのがこの曲である。二本のバイオリンに、一本のビオラと、同じく一本のチェロ。この弦楽四重奏にさらにピアノが加わって、波乱万丈に満ちた75分の芸術が静かに奏でられる。連綿と続くその優艶な旋律は、ときに明るく、ときに悲しく、ときに激しく、常に美しさを忘れることなく、様々な展開を経て、最終的に同じメロディーに回帰する。いつ終わるとも分からない長さでありながら、最後の最後にしっかりと有終の美を飾るさまは、まさに圧巻であると言えよう。

最強の作業用BGMですね。個人的には37分25秒あたりから始まるパートが好きです。渋くて味わい深い切迫した音色が、何とも言えぬ哀愁を漂わせていて素敵です。

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