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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#092 『極めて近く、限りなく遠い世界に』(落合貴子・十一谷明広/スーパーロボット大戦A/GBA)

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バンプレストがおくるシミュレーションRPGスーパーロボット大戦より、

落合貴子・十一谷明広作曲、Aの『極めて近く、限りなく遠い世界に』。

タイトル画面および最終面のステージで流れます。

古今東西のロボットが大集結するスパロボシリーズのうち、初のGBA作品として登場した本作。一年戦争グリプス戦役の難局を乗り越えた地球圏は、パーム星人の策謀により再び混乱の渦に巻き込まれ、それに呼応する形で各地で宣戦布告がなされるなか、主人公は唯一の希望であるロンド・ベル隊に所属して未知の戦争に身を投じていく。パラレルワールドをテーマとした濃厚なシナリオが特徴で、男女いずれかの主人公を選択することで、大筋に変化はないが細部が異なるダブル主人公制を採用している。ライトな難易度も相まって、携帯機での新シリーズの幕開けを飾るにふさわしい仕上がりとなっている。後にPSP向けにリメイクされた。

本作の音楽を担当するのは落合貴子氏と十一谷明広氏。リメイク版はトーセの作曲家たちが編曲を手がけている。落合氏と十一谷氏は当時クインテットに所属していた作曲家で、両名ともシリーズでの作曲は初めてである。以降落合氏はDまで、十一谷氏はJまでシリーズサウンドに携わることになる。原作からの版権曲をGBA音源でアレンジしたもののと、本作初出のオリジナル曲が混在するなか、どちらも影を潜めることなくうまく調和した楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売だが、後のシリーズにも収録されていることから、曲名は判明している。

タイトル画面で流れ、そして最終ステージでも流れるこの曲は、最終話のサブタイトルであると同時に、本作のキャッチコピーでもある。平行世界という主題を、一見矛盾しているように感じられる文言で表現することで、この曲に内包される、熱くて前向きな、その実どこか胸を締め付けられる哀愁漂うメロディーラインを引き立てている。まっすぐ突っ走る旋律と、その後ろで奏でられるアルペジオ、サビの直前で鳴り響くオーケストラヒットが交錯してつくりだす調べは、負けるわけにはいかない力強い決意を滲ませていて、非常に情熱あふれる出来映えとなっている。

サブタイともキャッチコピーともメインテーマとも一致する曲名ですから、統一感に対するこだわりが窺えますね。幾度かアレンジされていますが、数が多いので紹介は割愛します。