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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#097 『Panther』(星野康太/アーマード・コア4/PS3)

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フロムがおくるハイスピードメカアクション・アーマードコアより、

星野康太作曲、4の『Panther』。最初のミッションなど、複数の場面で流れます。

アーマードコアシリーズのうち、ナンバリング4作目にあたる本作。現代の延長戦上にある未来を舞台に、国家解体戦争により、統治能力を失った国民国家政府に代わり、強力な軍産複合体を形成した巨大企業グループが秩序を担う世界で、深刻な経済危機に陥るコロニー・アナトリアにて、先の戦争の負傷兵である主人公は再び戦渦に巻き込まれていく。シリーズ初のPS3作品ということで、設定を刷新し、より現実世界に近い濃厚な世界観が特徴で、ハード性能の強化に伴ってさらに全体的なスピードが向上、新たに瞬間的で飛躍的な加速を可能とするクイックブーストが追加されたことで疾走感に磨きがかかっている。カスタマイズパーツも一新されていて、オンライン対戦も本格的に導入されるなど、シリーズのなかでも一際大きく変化した意欲作に仕上がっている。

本作の音楽を担当するのは星野康太氏。フロムに所属する作曲家で、ACシリーズにはマスターオブアリーナ以降の作曲に携わっている。本作においては単独のメインコンポーザーとして曲づくりに挑んだ。大きな転換点を迎えたシステムにあわせて、サウンドも進化を遂げ、従来のテクノ系とは一味違う、コーラスを積極的に取り入れた幻想的なロックナンバーなども揃っている。サウンドトラックは主題歌も含めて収録されている。

最初のミッション「FIRST PRESENTATION」や終盤のミッション「MARCHE AU SUPPLICE」など、複数のミッションで流れるのがこの曲である。クールなギターの上を同じくクールなピアノが走り抜けていくスタイリッシュなナンバーで、どこか冷徹で無感情にすら思えるその旋律は、絶望的なまでに退廃した世界観を反映している。終始冷徹でありながらも、それと同時にじりじりと熱を蓄えながら焦らすことにより、絶妙な緊張感と情熱を表現している。渋くて複雑な魅力に満ちた、センスあふれる一曲である。

独特な味わい深さと聴き応えがあって、噛めば噛むほど美味しくなるような印象を受けます。