VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#101 『Strike the Earth!』(Jake Kaufman/Shovel Knight/PC)

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Yacht Club Gamesがおくるアクションアドベンチャー・Shovel Knightより、

Jake Kaufman作曲、『Strike the Earth!』。

邦題は『大地を削れ!』で、Plains of Passage(平原の道)で流れます。

アメリカのインディーゲームスタジオ・Yacht Club Gamesのデビュー作にして代表作にあたる本作。行方不明の恋人を探すべく、ショベルブレードと呼ばれるショベル型の武器を持った騎士・ショベルナイトは、邪悪な女帝とその配下の騎士団に挑むことになる。いわゆるステージクリア型の横スクロールアクションゲームで、ファミコンを彷彿させる8bit風グラフィックと、ショベル片手に突き進む爽快なアクションが魅力である。無料のDLCも複数配信されていて、サイドストーリーや前日譚、最大4人で同時プレイできる通信対戦モードなどが存在する。後にWiiU3DS、スイッチ、PS各種、XboxOneにも移植された。

本作の音楽を担当するのはJake Kaufman氏と松前真奈美氏。Kaufman氏はアメリカ出身の作曲家で、もっぱら日本未発売のゲームで作曲を務めることが多いが、松前氏はかつてカプコンに所属していたため、初期のロックマンシリーズを手がけたことで知られる。本作では松前氏は2曲のみの提供で、残りはすべてKaufman氏が作曲している。ファミコン実機で演奏できる楽曲をコンセプトに、VRC6音源(コナミ製の音源で、悪魔城伝説などで用いられたことが有名)を搭載したレトロチューンが勢揃いしている。サウンドトラックは本編のもののほか、DLCごとの追加曲やアレンジなどを収録したものも存在し、曲名の原題は英語だが、国内で販売されているものに関しては日本語曲名が付されている。

Plains of Passage(平原の道)で流れるのがこの曲である。最初のステージで、探索の進め方やショベルアクションといった基本的な操作を学ぶことになる。そうしたチュートリアル風のステージを彩るにあたって、アップテンポでエネルギッシュなチップチューンを据えることで、開始早々に本作の雰囲気を十二分に堪能できる。ずしんと響く低音を用いたイントロから始まり、勇ましい主旋律と複雑に音階を行き来する伴奏を組み合わせることで、聴き応え抜群のオーソドックスな昂揚感を生む。重厚な低音が印象的であるのみならず、22秒以降では刺激的な高音を奏でることで、聴いていて気持ちが良くなるようなキャッチーさを感じさせる。大いなる冒険の始まりを予感させるパワフルな一曲である。

ストレートに格好良い曲を1面に持ってきてくれるとすごくモチベーションになりますね。先へ先へと進みたくなる気持ちを後押ししてくれます。