VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#103 『One Who Craves Souls』(木田俊介/Demon's Souls/PS3)

www.youtube.com

フロムがおくるアクションRPGデモンズソウルより、

木田俊介作曲、『One Who Craves Souls』。バッドエンドで流れます。

PS用のRPGキングスフィールドの系譜を継ぐものとして、SCEと共同で開発した本作。古の獣の復活により、色のない濃霧が漂う北の国・ボーレタリアにて、人々からソウルを奪うデーモンたちが徘徊するなか、プレイヤーはデーモン討伐の旅に出ることにいなる。中世の陰鬱な世界観と、初見殺しが飛び交う熾烈な難易度が特徴で、プレイヤーは生身の状態と、一度死んでも魂のみで存在し続けるソウル体(ただしHPの最大値が半減するなど、ペナルティが課される)の二種類を駆使しながら攻略していく。ネットワークを通じて他人の死に様を再現できる血痕システムや、協力・対戦プレイなども完備されている(現在はサービス終了済み)。後のソウルシリーズの礎を築いた硬派な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは木田俊介氏。映画やドラマの劇伴の分野で活躍する作曲家で、ゲーム音楽についてはコナミのpop'n musicシリーズへの楽曲提供が主である。本作のダークファンタジー調の世界観を表現するにあたって、BGMが流れるシーンを極力減らし、無音ないしは環境音を中心に構成している。その一方で、ボス戦などの要所要所でずしんと響くような重厚なオーケストラサウンドを用いることで、非常に迫力のある、退廃的かつ印象的な楽曲を生み出している。サウンドトラックは日本未発売で、北米版の初回限定盤にのみ付属されている。

本作のバッドエンドを飾るのがこの曲である。暗く怪しげな作風にあわせて、終始陰惨な趣を滲ませているが、それと同時に心洗われるような優雅な風情をも醸している。美しく調和のとれたピアノとストリングスの音色が奏でる旋律は、居心地の悪さを感じさせる不気味な半音を用いつつ、その退廃のなかに身を委ねたくなるような独特の安寧をもたらす。曲名は直訳すると「魂(ソウル)を渇望する者」となり、楽曲それ自体の美しさに聴き惚れるだけでなく、そのネーミングセンスにもうっとりするほどの魅力にあふれている。

グッドエンディングの、あんまりグッドな感じがしないアンニュイな曲も良いですね。KOKIAさんの透き通るコーラスが切なくて、儚くて、美しくて、とても素敵です。『Return to Slumber』、あわせてどうぞ。

www.youtube.com