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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#106 『PROTMIND ~Main Theme~』(小倉久佳/ギャラクティックストーム/AC)

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90年代初頭とは思えない傑出したサウンドが魅力のギャラクティックストームより、

小倉久佳作曲、『PROTMIND ~Main Theme~』。ステージ曲の一つ。

アーケード向けに開発されたタイトーの3Dシューティングである本作。音楽ありきでつくられたという噂がまことしやかにささやかれるほど、ゲームそのものの評価は芳しくないなかでもサウンドは圧巻の仕上がりとなっている。ゲーム音楽に新しい波をもたらしたと言っても過言ではなく、他の何を差し置いても音楽に関しては今なお抜きんでて好評である。

件の音楽を担当したのは当時ZUNTATAに所属していた小倉久佳氏。本作ではそれまでのゲーム音楽では類を見ない本格的なシンセサイザー用の音源チップを採用することで、革新的な音質を誇るに至った。地球外生命体による侵略という宇宙規模の危機を題材にする本作にふさわしい、近未来風の煌びやかな楽曲が多くなっている。

1面の曲にしてメインテーマを飾るこの曲は、透明感を帯びた金属質の音色と、ときどき聴こえる女性の吐息が特徴である。ピアノとサックスが絡み合って奏でられる旋律は、美しさのなかに行き過ぎた未来技術への悔恨を想起させる静謐さが見え隠れし、溜め息のような何気なさで加えられる吐息が心地良い。その浮遊感あふれる音使いは、無重力の宇宙を彷彿させる。

サントラのヌーヴェルヴァーグにはアレンジ版も収録されていまして、これがなかなかの出来栄えです。こちらは吐息のかわりにヴォカリーズのような形ではっきりと女性の声で歌っている部分があるのですが、より鮮明に響くピアノの音色や絶え間なく響く電子音に、一種独特な幻想的な色合いを加えています。アレンジ版もあわせてどうぞ。

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