VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#107 『The end of messenger』(阿保剛/STEINS;GATE 0/PS3・PS4・PSV)

www.youtube.com

5pb.Nitroplusがおくる想定科学ADV・STEINS;GATEより、

阿保剛作曲、0の『The end of messenger』。バッドエンドで流れます。

STEINS;GATEの正統続編として登場した本作。幾重にも分岐し得る結末のうち、大切な人を救えぬままに最も陰鬱な世界線を選び取ってしまった主人公・岡部倫太郎のその後を描いている。持ち味のハードSFな雰囲気を活かした、重厚で濃密なシナリオは本作でも健在で、新旧キャラクターが入り混じって紡ぐ、オカリンたちの新たな可能性の物語を堪能できる。後悔と失意とわずかな希望が灯る仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは阿保剛氏。5pb.(現MAGES.)に所属する作曲家で、前作に引き続き作曲している。ボーカル曲に関しては、こちらも前作同様にMAGES.の志倉千代丸氏をはじめ、MANYO氏や大島こうすけ氏らが参加しており、無印時代に築き上げた世界観をそのまま引き継いだサウンドが揃っている。また、前作の楽曲をアレンジしたものや、本作の物語の鍵を握るモーツァルトのクラシックアレンジなども存在する。サウンドトラックには主題歌やメインテーマの特別なアレンジも含めて収録されている。

諦観に満ちた世界線、そこで勇気を振り絞って踏み出した一歩さえもが報われなかったバッドエンドで流れるこの曲は、本作のメインテーマ『Messenger -main theme-』のアレンジである。深く、奈落の底へと誘うような重苦しいピアノの音色から始まり、そこにゆっくりと、徐々に盛り上がるように添えられるストリングスの音色が、次いでサビの部分で奏でられる笛の音とトライアングルの金属音にメランコリックな印象を強めさせる。さらに同じ主旋律をストリングスがカバーすることで、心が張り裂けんばかりの失意を何重にも表現している。最悪の物語における最悪の結末にふさわしい、最上の悲哀を滲ませた一曲である。

メインテーマのほうもかなり暗めな曲調なのですが、この曲にはどこか、暗さの限界を凌駕した真の絶望が潜んでいるような気がします。『Messenger -main theme-』、あわせてどうぞ。

www.youtube.com

thytimes.hatenablog.com