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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#114 『THE CYBER SLEUTH』(高田雅史/デジモンストーリー サイバースルゥース/PSV)

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バンナムがおくる育成RPGデジモンストーリーより、

高田雅史作曲、サイバースルゥースの『THE CYBER SLEUTH』。

タイトル画面で流れます。

デジモンシリーズのうち、長らくDSで展開されていたデジモンストーリーの第5作目にあたる本作。現実と電脳空間が交わる近未来を舞台に、謎のハッカーに呼び寄せられて電脳空間の最下層にログインした主人公は、不具合により元の肉体に戻れない半デジタル状態になってしまい、自らの肉体を取り戻すべく、電脳探偵となって各地の怪事件を追うことになる。シリーズ初のPSVita作品として15周年の節目に発売され、デジモンを育成し、ともに冒険してバトルするという基本的なゲーム性はそのままに、いっそうブラッシュアップされた、個性豊かな人間とデジモンが織り成す濃密なドラマが特徴である。「大人になったデジモンファンへ」というコンセプトに違わぬ歯応えたっぷりな仕上がりとなっている。後に続編として、本作の内容を丸ごと収録したハッカーズメモリーが登場した。

本作の音楽を担当するのは高田雅史氏。フリーランスの作曲家で、デジモンシリーズおよび開発元であるメディア・ビジョン製の作品に携わるのは本作が初めてである。本作ではインターネットが極限まで発達したサイバーパンクな電脳世界を描くにあたって、SFらしさを前面に出したテクノ調や、探偵モノにふさわしいポップでミステリアスな曲調のものなど、種々様々な楽曲が揃っている。サウンドトラックは初回限定盤に一部の楽曲のみを収録したものが同梱されているほか、完全版として本作の楽曲を網羅したもの、さらにはハッカーズメモリーの追加曲を収録したものも発売されている。

タイトル画面で流れるのがこの曲である。ゲームタイトルをそのまま冠している本作のメインテーマだが、イントロからハードボイルドな雰囲気を醸すクールなナンバーである。電脳探偵という特異な立ち位置の主人公を表現するにあたって、どこかジャズっぽい洒落た音使いが、全体を通して貫かれる先鋭的で近未来的なヴァイブに彩りを与えている。ハイテンションに奏でられる即興風のエレキギターの後ろで、マリンバの計算し尽くされた細かな音色がのべつ響き渡ることで、非日常的な浮遊感を演出する。

こういうスタイリッシュでサイケデリックな曲を書かせると、高田さんの右に出る者はいないと思っています。痺れるほど格好良くて好きです。