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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#120 『ファインパーク』(橘田拓人/名探偵ピカチュウ/3DS)

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クリーチャーズがおくるシネマティックアドベンチャー・名探偵ピカチュウより、

橘田拓人作曲、『ファインパーク』(仮称)。ファインパークで流れます。

ポケモンシリーズのスピンオフ作品として、手始めにダウンロード専用タイトルとして配信された前身・新コンビ誕生の完全版にあたる本作。人とポケモンが共存するライムシティを舞台に、行方不明の父を捜す青年・ティムは、記憶喪失で名探偵を自称する喋るピカチュウを相棒に、各地で頻発するポケモン凶暴化事件の謎に挑んでいく。聞き込みの際は、ティムが人間から、ピカチュウポケモンから情報を集め、双方の手がかりを照らし合わせて謎解きをしていくことになり、特に人間社会で暮らすポケモンたちの生態系が、本編以上に非常に丁寧に描き込まれている点が特徴である。また、渋い声で話すピカチュウの愛嬌のある仕草も魅力的で、ハリウッドで実写映画化されるなど、スピンオフに留まらぬ存在感を持つ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは橘田拓人氏。クリーチャーズに所属している作曲家で、ポケモンシリーズでは主に外伝作品を担当することが多く、ポケモンレンジャーでは無印から光の軌跡まですべての作曲に携わっている。ミステリーというポケモンシリーズでは異色のジャンルを彩るにあたって、ときにヒロイックに、ときにミステリアスに、シチュエーションに応じた表情豊かな楽曲が用意されている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上のものとする。

本作開始の一年前に起きたとされる、物語の鍵を握る大事件の現場であるファインパーク。かつては賑やかなテーマパークだったが、今は閉園となり少数のポケモンのみが細々と暮らす寂れた廃墟である。そこで流れるこの曲は、事件で精神的に傷を負ったポケモンたちの繊細な心に寄り添う、静かで落ち着いた仕上がりとなっている。一方でこの場所には一連の謎の核心に迫る重要な手がかりが残されていることから、物憂げなピアノとは対照的にストリングスが張り詰めた空気感を演出し、シナリオのクライマックスに向けて緊張と焦燥を煽る。

もともとポケモン(特にアニメ)が大好きなので、こういう人とポケモンが共存している世界はとても興味深いです。