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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#121 『Access the Grid』(石元丈晴/キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]/3DS)

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スクエニがおくるRPGキングダムハーツより、

石元丈晴作曲、3Dの『Access the Grid』。ザ・グリッドで流れます。

ディズニーとスクエニが夢の共演を果たすキングダムハーツシリーズのうち、7作目にしてシリーズ10周年の記念作にあたる本作。キーブレードの勇者であるソラとリクは、夢を喰らう魔物・ドリームイーターが蝕む眠りに閉ざされた世界を解放するべく、さらなる力を得るためにキーブレードマスター承認試験に挑むことになる。おなじみシリーズの主人公であるソラに加え、リクも主人公を務めることとなり、ゲージが尽きると強制的にキャラ交代するドロップシステムにより、二人を交互に動かしていく。最終決戦に向けて複雑に絡み合ったストーリーと、FF以外では初めてとなる、すばらしきこのせかいからのゲスト出演が特徴で、アクロバティックな動きが可能となるフリーフローアクションなどの新要素も相まって、意欲的な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは石元丈晴氏、下村陽子氏、関戸剛氏の三名。編曲のみで戸田信子氏と和田薫氏も携わっている。下村氏はシリーズ通して作曲に携わっているKHサウンドの生みの親で、石元氏と関戸氏は前作BbSから引き続きの担当である。このうち石元氏はコラボ先のすばせかの作曲を担当した経緯があるため、KINGDOM REMIXと題してすばせかの楽曲を本作の世界観に合わせてセルフアレンジしている。そのほかにも本作で新たに登場した、サイレント映画を題材につくられた世界では、作中のキャラの声が出ず、流れる曲はクラシックになっているなど、随所に音楽へのこだわりが見受けられる。サウンドトラックは各種アレンジも含めて隈なく収録されている。

ザ・グリッドと呼ばれる世界は、SFアクション映画である「トロン:レガシー」を原作としたステージである。そこで流れるこの曲は、電脳世界にふさわしい先鋭的でエレクトロニックな曲調となっている。どこか怪しげで恐怖心を掻き立てる音使いは、トロン:レガシーの前作・トロンをモチーフとしたKH2のスペース・パラノイド(流れる曲は『Space Paranoids』)とは似て非なる様相を呈していて、レトロなコンピュータ世界を体現したミステリアスな雰囲気のそれとは一線を画する攻撃的なテクノサウンドが、独特な没入感を生み出している。

この世界では結構大胆にソラとリクが衣装チェンジしますが、それがサイバーパンクな世界観に拍車をかけていて、なかなかの見物です。KH2より下村陽子氏の『Space Paranoids』も参考までにどうぞ。

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