セガサターンの命運を賭けたキラータイトル・グランディア、その続編である2より、
岩垂徳行作曲、『FIGHT!! Ver.4~最終戦闘』。ラストバトルの曲。
時は90年代末期。対抗ハードが数多くのビッグタイトルを引っ提げるなか、後れを取っていたセガサターンが、「歴史に残る映画があるように、歴史に残るRPGがある」という強気なキャッチフレーズとともに世に送り出したのが、セガサターン史上最高の傑作・グランディアである。王道を極めたオーソドックスなボーイ・ミーツ・ガールの冒険譚は、多くのプレイヤーを魅了し、SSの後継機・ドリキャスで発売された本作は、作風が大きく異なるものの、RPGとして申し分のない手堅い仕上がりである。
本作の音楽を担当するのは前作に引き続き岩垂徳行氏。氏はグランディアシリーズすべての作曲を単独で請け負っていて、大作を彩るにふさわしい表情豊かな楽曲が本作でも揃えられている。前作の明るい冒険活劇というコンセプトとは対照的に、本作は格好良くクールな雰囲気を押し出しているため、サウンドもそれに伴ってより重厚で、より神秘的な路線となっている。
Ver.1から4までの戦闘曲群のうち、ラスボス戦で流れるのがVer.4にあたるこの曲である。遠くから迫りくるドラムにギターの哭く音が加わり、そこにコーラスを重ね、緊張感を極限まで高めたところで、弾けるような明るさと勇ましさを湛えたメロディーが流れ出す。ストリングスが清涼感あふれる旋律を奏でるなか、ブラスの勢いあふれる音色が要所要所で轟き渡り、ギターもピアノもコーラスもその他諸々が一緒くたになって一つの音楽をつくりあげるさまは、抜群の爽快さを誇る。
本作はPS2でも発売された他、15周年を記念して2015年にSteamに移植されていますから、入手手段はそこそこ充実しています。が、後者は日本語がボイスのみ対応(インターフェイス、字幕等非対応)なので、少々残念。