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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を適当に紹介します。

#134 『Seashore War』(David Wise/ドンキーコング トロピカルフリーズ/WiiU)

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先日スイッチに移植されたばかりのドンキーコングトロピカルフリーズより、

David Wise作曲、『Seashore War』。ステージ6-2のいてつくビーチで流れます。

マリオのデビュー作でもあるアーケード版ドンキーコングから始まり、35年以上続く任天堂の看板シリーズ・ドンキーコングWiiUで発売されたことにより初のHD作品となった本作は、クオリティの高いグラフィックとやり応えのある難易度が魅力で、長らくシリーズの作曲から離れていたDavid Wise氏の復帰作としても知られている。WiiU自体が商業的に不振だったことが影響して、満を持して登場した割には売り上げは芳しくなかったが、新要素も加えたこの度のスイッチの移植での成功が期待される。

先述の通り、本作の音楽を担当するのはDavid Wise氏。2005年にGBAスーパードンキーコング3の作曲に携わって以来、実に9年ぶりのカムバックである。氏は本作においてすべての曲を単独で作曲し、過去作のメロディーを引用したアレンジも交えている。とりわけ水中ステージではスーパードンキーコングの『Aquatic Ambiance』をモチーフにした数々の良アレンジを生み出している。その一方でボス戦では一転、ハードなメタル調なども取り入れていて、もともとジャンルの垣根を越えた楽曲づくりに定評のある氏の新境地を堪能できる。

コングたちの故郷にしておなじみ常夏の南国・ドンキーコングアイランド。本作ではバイキング集団によって占領され、氷漬けにされてしまう。終盤において再び足を踏み入れると、そこは一面の銀世界。ダメージを喰らうほど極寒な海が広がるいてつくビーチで流れるこの曲は、何人たりとも寄せ付けない冷たい伴奏と、変わり果てた故郷への思慕を窺わせる温かなアコースティックギターの音色がよく映える。圧倒的な静謐のなかに響く優しくて物悲しい旋律が、神秘的で心地良いアンビアンスを十二分に漂わせている。

話によるとこの曲は本作のなかでもWiseさんお気に入りの一曲だとか。納得の仕上がりですね。

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