VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#134 『Seashore War』(David Wise/ドンキーコング トロピカルフリーズ/WiiU)

www.youtube.com

レトロスタジオがおくるアクション・ドンキーコングトロピカルフリーズより、

David Wise作曲、『Seashore War』。ステージ6-2のいてつくビーチで流れます。

ドンキーコングシリーズ初のHD対応作品として本作。北の海からやってきたバイキング集団のザ・スノーマンズにより氷漬けにされてしまった常夏の島・ドンキーコングアイランドを取り戻すべく、ドンキーコングは氷の世界を冒険することになる。WiiUならではの美麗なグラフィックとやり応えのある難易度が魅力で、前作のリターンズのゲーム性を概ね踏襲しつつ、プレイアブルキャラクターとしてディクシーコングクランキーコングが追加、水中を泳いだり道具や仕掛けを引っ張ったりする新アクションも導入された。全体的に手堅くまとまった仕上がりとなっている。後に新要素を加えてスイッチにも移植された。

本作の音楽を担当するのはDavid Wise氏。2005年にGBAスーパードンキーコング3の作曲に携わって以来、実に9年ぶりのカムバックであり、長らくシリーズから離れていた氏の復帰作として一際注目を集めることになった。本作ではオリジナルの作曲はもちろん、過去作のメロディーを引用したアレンジも交えている。とりわけ水中ステージではスーパードンキーコングの『Aquatic Ambiance』をモチーフにした数々の良アレンジを生み出している。その一方でボス戦では一転、ハードなメタル調なども取り入れていて、もともとジャンルの垣根を越えた楽曲づくりに定評のある氏の新境地を堪能できる。サウンドトラックは未発売だが、一部の楽曲については氏がツイッターで言及している。

ザ・スノーマンズに乗っ取られてしまったコングたちの故郷・ドンキーコングアイランドだが、終盤において再び足を踏み入れると、そこは一面の銀世界。ダメージを喰らうほど極寒な海が広がる「いてつくビーチ」で流れるこの曲は、何人たりとも寄せ付けない冷たい伴奏と、変わり果てた故郷への思慕を窺わせる温かなアコースティックギターの音色がよく映える。圧倒的な静謐のなかに響く優しくて物悲しい旋律が、神秘的で心地良いアンビアンスを十二分に漂わせている。

この曲は本作のなかでもWiseさんお気に入りの一曲だそうです。

thytimes.hatenablog.com