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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#136 『TowerFall』(Alec Holowka/TowerFall/OUYA)

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Matt Makes Gamesがおくる2D対戦アクション・TowerFallより、

Alec Holowka作曲、『TowerFall』。タイトル画面で流れます。

OUYA(日本では未発売の据置機)用のコンバットゲームとして登場した本作。最大4人までのローカル対戦に特化したバトルロイヤル形式の2Dアクションで、レトロ風味なグラフィックで繰り広げられる、メインウェポンとなる弓矢を使ったシンプルながらも奥深いバトルが特徴である。一口で言えばオフライン限定の固定画面型スマブラのような仕上がりとなっていて、後にAscensionの名を冠してPCやPS4、Vita、XboxOne、スイッチなどの主要ハードに移植された。

本作の音楽を担当するのは故・Alec Holowka氏。作曲、プログラミング、ゲームデザインなどを幅広く手がけるカナダ出身のマルチクリエイターで、本作では音楽のみに携わっている。また、Ascensionでは曲を全面的にリファインしたほか、エキスパンションのDark Worldでも追加の新曲を書き下ろした。本作の楽曲は、民族音楽調のダークでメロウな楽曲が多く取り揃えられていて、ときに優しく、ときに激しく対戦を彩ってくれる。サウンドトラックは氏のBandcampを通じて配信されている。

タイトル画面で流れるのがこの曲である。穏やかで落ち着きのあるケルト調の音使いが印象的で、柔らかいハープと透明感のある笛の音に加え、寂寥感あふれるフィドルやイリアンパイプスのファンタジックな音色が独特な安寧をもたらす。Ascensionのアレンジでは曲の尺が倍増し、こちらはよりヴィヴィッドでセンチメンタルな雰囲気を醸している。新たに追加されたコーラスやぐっと存在感を増したフィドルが、きたる乱戦に向けて身に染みる焦燥感を滲ませる。幻想的でありながらも闘争心を掻き立てる一曲である。

不思議な活力に満ちた曲ですね。Ascensionの同名の曲(個人的には移植から入ったのでこっちの印象が強いです)もあわせてどうぞ。

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