VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#143 『ひみつの国』(本山淳弘/くるりんパラダイス/GBA)

www.youtube.com

エイティングがおくるアクション・くるりんパラダイスより、

本山淳弘作曲、『ひみつの国』(仮称)。同名のステージで流れます。

ヘリリンと呼ばれる回転する棒を操作して狭いステージを攻略するくるくるくるりんの続編として登場した本作。くるりん村にやってきたマジック大魔術団の仕業でまたしても離れ離れになってしまった家族を探すべく、クルリンは再びヘリリンに乗り込むことになる。直感的で奥深い操作性はそのままに、新たにワールド上にステージの分岐が用意されていたり、ヘリリンを用いたエアホッケーや陣取りといった各種ミニゲームが追加されたりして、前作から正統進化を遂げた。タイムアタックや全ステージノーミスクリアなどのやり込み要素も健在で、シンプルだが挑戦し甲斐のある仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは本山淳弘氏。前作に引き続き作曲していて、氏は後に発売されるくるりんスカッシュも含め、くるりん三部作のサウンドをすべて単独で作曲している。前作よりもボリュームが増加したことに伴って曲数も増え、より洗練されたGBA音源を堪能できる。メルヘンチックな世界観に合わせて、基本は明るくポップに、ときどきミステリアスに、バリエーション豊かにステージを彩る。前作同様サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

すべてのステージをノーミスでクリアすることによって初めて出現する隠しステージ・ひみつの国で流れるのがこの曲である。紫やホットピンクなど派手でファンシーな色合いが目立つステージで、出現条件が厳しいだけでなく、今までの集大成と言わんばかりにギミックが張り巡らされている。そうした歯応えのある挑戦を彩るにあたって、透明感あふれるピアノを軸としたシリアスな曲調が特徴である。ピアノのメロディアスな音色に加えて、電子音やパーカッションがかなり強めにはっきりと響くことで、幻想的であると同時に刺激的な印象をも与える。聴いているだけで不思議と神経が研ぎ澄まされるような一曲である。

すごく引き込まれる音色ですね。GBA音源は他のハードと比べてもとりわけ好きで、特にこれは同じ2002年初出のポケモンRS『ルネシティ』(一之瀬剛さんの作曲)とあわせてGBA二強だと思っています。ルネはいつか紹介します。

※宣言通り紹介しました。

thytimes.hatenablog.com