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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#147 『火花散らして』(青山響/テイルズ オブ ヴェスペリア/X360)

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バンナムがおくる「正義」を貫き通すRPGテイルズオブヴェスペリアより、

青山響(田村信二)作曲、『火花散らして』。終盤のフレンとの一騎打ちで流れます。

テイルズシリーズのうち本編(マザーシップタイトル)10作目にあたる本作。万物を構成する源・エアルとそれを糧に稼働する魔導器・ブラスティアによって繁栄を遂げる世界、テルカ・リュミースを舞台に、帝都の下町に暮らす元騎士の青年・ユーリは、城で暮らす姫・エステリーゼとの出会いをきっかけに、世界を変える旅に出ることになる。シリーズの主人公にしては珍しい、成熟した大人として描かれるユーリと、彼の親友である騎士のフレン、および彼らを取り巻く個性豊かなキャラとが紡ぐ勧善懲悪調の物語が特徴で、戦闘システムはアビスのFR-LMBSを改良したEFR-LMBS(エヴォルブドフレックスレンジリニアモーションバトルシステム)を導入、耐久値を削って敵を一撃で仕留めるフェイタルストライクや、術と技が無制限に連携できるようになるオーバーリミッツなどの新システムが追加された。Xbox360向けの正統派RPGとして、全体的にハイクオリティにまとめられている。後にPS3に移植されたほか、リマスター版がXboxOne、PS4、スイッチ、PCにも発売された。

本作の音楽を担当するのは桜庭統氏と青山響こと田村信二氏。初代からのおなじみの二人であるが、田村氏は本作以降、青山響という名義を用いることとなる。楽曲の使いどころに関して一部ミスマッチなところが指摘されるなか、正義を体現したかのような熱くしたたるサウンドそれ自体は本作も健在である。PS3の移植版ではさらに12曲の新曲が追加されている。サウンドトラックはXbox360のオリジナル版が発売されている。

犯罪をも辞さないアウトローな正義を貫くユーリと、帝国騎士として法と秩序を重んじるフレン。固い友情で結ばれながらも、相反する価値観を持った二人の最大の見せ場、すなわち一騎打ちで流れるこの曲は、疾走感のあるドラムとどこまでも真っすぐに響くエレキギターの音色が、照れくさいほどオーソドックスに戦闘を盛り上げてくれる。剣を交え、火花を散らし、全身全霊を賭けて戦う姿は、一切飾ることのない直球勝負の旋律を通して、ユーリとフレンの親友としての、ライバルとしての関係性を如実に表している。

サビに入る前にパーカッションで三回溜めることで、緊張感、爽快感、昂揚感がぐっと高まる気がします。一歩踏み外せば陳腐になり兼ねない瀬戸際で、ここまでストレートなメロディーを奏でられるのはさすがですね。