レベルファイブとカプコンがおくるナゾトキ法廷アドベンチャー・
レイトン教授VS逆転裁判より、北川保昌作曲、『追求 ~魔法をかけて』。
裁判パートの佳境で流れます。
レベルファイブが手がけるナゾトキアドベンチャー・レイトン教授シリーズに、カプコンが手掛ける法廷バトル・逆転裁判シリーズを組み合わせて誕生した異色のコラボにあたる本作。魔女裁判と魔法が存在する異世界・ラビリンスシティを舞台に、どんなナゾをも解決してみせるレイトン教授と、どんなムジュンをも解明してみせる成歩堂龍一が、ともに真実を求めて協力し合うことになる。アドベンチャーパートはレイトン譲りのナゾトキが、裁判パートは逆裁譲りの法廷がそれぞれ繰り広げられ、シナリオ面では両シリーズならではのどんでん返しの展開が目白押しである。クロスオーバー作品としては堅実にまとまった仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは北川保昌氏と西浦智仁氏。北川氏はカプコン(逆裁側)に、西浦氏はレベルファイブ(レイトン側)に所属する作曲家である。北川氏は本作から逆裁シリーズに携わることになり、後に大逆転裁判などのスピンオフでの作曲を担当する。本作では魔法が身近に存在する異世界にふさわしい、どこかオカルティックな雰囲気を帯びた荘厳なオーケストラの楽曲が多く揃っている。サウンドトラックではレイトン側と逆裁側でディスクが分かれていて、それぞれシリーズに特徴的なタイトルの曲やアレンジなどが勢揃いである。
逆裁側からはシリーズおなじみの追求BGMとして、裁判パートのクライマックスでこの曲が流れる。本作は逆裁初の3DS作品であり、進化した音源で奏でられる大迫力のサウンドは、旋律の美しさも相まって非常に印象に残りやすい。イントロから飛ばすような勢いで鳴り響くオーケストラは、優雅なストリングスによるメロディーラインとあわせて、どこかレイトンに似せた魔術的な音使いが特徴となっている。それでいて曲調は紛れもなく熱さ滴る追求ならではの濃厚さがあり、クロスオーバーが形成する特異な世界観にぴったりな一曲である。
本作にはもう一つ追求BGMが収録されていて、杉森雅和さんが作曲した初代のアレンジ『英国法廷組曲 追求 ~追いつめられて』(北川さんの編曲)があります。本作の雰囲気がびしびしと伝わってくるシンフォニックサウンド、あわせてご堪能ください。