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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#174 『It's a Golden Show』(目黒将司/キャサリン/PS3・X360)

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アトラスがおくるアクションアドベンチャー

キャサリンより、目黒将司作曲、『It's a Golden Show』。タイトル画面の曲。

大人のジュブナイルをテーマにしたアトラスの完全新作として登場した本作。優柔不断な主人公・ヴィンセントは、旧知の恋人と同じ名前を持つ謎の美女・キャサリンとの出会いをきっかけに、二人のキャサリンとの関係に苦悩しつつ、奇妙な悪夢にうなされることになる。修羅場を描くアドベンチャーパートに加え、アクションパートとしてヴィンセントの夢のなかを舞台に、ひたすら足場が崩れていくステージを上へ上へと駆けていき、ホラー色のあるパズル要素が楽しめる。その官能的な世界観とドロドロな恋愛模様が織り成すゲーム性は、独自性の高い仕上がりとなっている。後に新キャラクターとしてもう一人のキャサリンが追加されたリメイク版のフルボディが登場した。

本作の音楽を担当するのは喜多條敦志氏、土屋憲一氏、目黒将司氏の三名。いずれもペルソナシリーズなどでも活躍しているアトラスに所属する作曲家である。なかでも目黒氏は、アクションパートにおけるクラシックの編曲も含めほとんどの楽曲を手がけている。本作では艶やかで色っぽい雰囲気に合わせたミステリアスでスタイリッシュな曲が多く、それでいて馴染みのギターサウンドもときどき顔を覗かせる。サウンドトラックはクラシック以外のBGMを収録したオリジナル盤と、クラシックの編曲を収録した予約特典盤、それから秋田真典氏(所属は音楽制作会社INSPION)によるフルボディの追加曲もあわせて収録した初回限定盤が存在する。

ショッキングなタイトル画面の映像とともに流れるのがこの曲である。静かなピアノから始まり、ゆったりとした空気感を漂わせつつ、徐々に疾走感を増していくことで、大人の哀愁を感じさせてくれる。ビートを刻む軽快なパーカッションを、さらに鼓舞するかのように勢いよく響き渡るブラスの音色が、ゲーム中でのみ聴ける羊の虚ろな鳴き声と相まって、独特な悦楽と哀愁を誘う。そのアップテンポで刺激的な曲調は、思わず愛に溺れたくなるほどセンシュアルでセンセーショナルな魅力を漂わせている。

実際のゲームではこれに羊の鳴き声が加わりますが、羊の鳴き声ありとなしとでは結構違うものの、あってもなくても官能的ですね。