VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#182 『中ボス戦闘』(西澤洋/ONI III 黒の破壊神/GB)

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パンドラボックスがおくるRPG・ONIより、

西澤洋作曲、3の『中ボス戦闘』。ボス戦で流れます。

和風変身ヒーロー系RPGとして知られるONIシリーズのうち、ナンバリング3作目にあたる本作。前作の300年後を舞台に、決して開けてはならぬ倉の扉を開けてしまった少年・常葉丸は、溢れ出した妖怪を退治すべく冒険することになる。主人公は常葉丸のほかに、章ごとに設定されていて、全5章からなるオムニバス形式の物語が特徴である。前作で一度廃止された転身システムが復活したほか、戦闘面では隊列の概念が導入され、前列・後列で被ダメージや攻撃手段が変わる仕組みとなっている。時代設定を大幅に変更するなどしていろいろと模索した意欲作に仕上がっている。

本作の音楽を担当するのは西澤洋氏。当時パンドラボックスに所属していた作曲家で、前作からシリーズに携わっていて、本作ならびに次作の4まで作曲を担当している。前作と次作は初代から作曲している渡部陽子氏との共作であるが、本作のみ西澤氏が全曲を単独で仕上げた。本作の楽曲は、発展途上で制約の多い携帯機ながらも音数の縛りに屈しない良曲揃いで、こと戦闘曲に関してはいずれも聞き応えのある出来栄えである。サウンドトラックは未発売だが、西澤氏本人によるアレンジ盤が存在し、曲名も明かされている。

ボス戦で流れるのがこの曲である。ヒロイックでありながら妙に恐怖心を煽る、強敵との対峙を思わせる一曲である。イントロのフレーズを二度ほど繰り返したのち、伸び伸びと力強く、敢然と奏でられる主旋律は、唐突に荒れ狂う暴力的なアルペジオによって、決して一筋縄ではいかぬ印象を与える。そこからさらに畳みかけるように続く複雑な音階は、勢いに任せて一直線にループへと突入し、気付くと聴き覚えのあるメロディーに回帰している。その隙のない曲構成が、1ループ1分にも満たない短さを、見事なまでに情熱的に仕立てている。

アレンジサントラにはこの曲の弦楽四重奏版が用意されています。EGGMUSICさんから試聴できますのでぜひ。

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