VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#183 『風が呼ぶ、蒼穹のシェバト』(光田康典/ゼノギアス/PS)

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スクウェアがおくる独創的な新世代サイバネティクスRPGゼノギアスより、

光田康典作曲、『風が呼ぶ、蒼穹のシェバト』。空中に浮かぶシェバト王国の曲。

90年代末期、スクウェアにとって黄金時代で円熟期であった頃、人気シリーズのFFや聖剣伝説とは異なる可能性として、新たに登場した本作。SFや巨大ロボットなどのサブカルチャーを軸に、宗教、哲学、オカルト、科学など、あらゆる分野から影響を受けた特異な世界観は、他に類を見ないその斬新さと晦渋さが、当時はもちろんのこと、今なお多くのプレイヤーに衝撃を与え、魅了し続けている。直接の続編は登場していないものの、哲学的な要素の増加に伴って難解さに磨きがかかったゼノサーガシリーズや、万人向けになるよう調整されつつも独特のスパイスを残したゼノブレイドシリーズなど、ゼノの名を冠する作品群は連綿と受け継がれている。

本作の音楽を担当するのは光田康典氏。氏は大作クロノ・トリガーで作曲家デビューした後、またしても大作である本作でその実力をより一層発揮することとなる。氏は以降のゼノシリーズにも定期的に携わっていて、その原点となる本作の楽曲は、クロノ・トリガーと同様にどれも圧倒的な好評を得ている。その人気の高さを裏付けするように、本作はオリジナルサントラの他にも複数のアレンジアルバムが存在している。

天空にたゆたうシェバト王国、その首都アウラ・エーペイルにて流れるこの曲は、空中都市ならではの浮遊感を色濃く滲ませた一曲である。きらきらと輝きを放ち続ける金属音に、清涼感あふれる笛の音と穏やかなコーラスが混ざり合って、透明感に満ちた癒しと神秘的な感動をもたらす。その洗練された音使いは、思わず安堵の溜め息を漏らしたくなるほど美しく、儚く、そして脆い。

同じく浮遊都市であるクロノ・トリガージール王国で流れる『時の回廊』を連想しますが、雰囲気的には『サラのテーマ』のほうが近いか。いずれにしても名曲ですね。

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