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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#204 『駆け抜ける電光』(川上領/蒼き雷霆 ガンヴォルト/3DS)

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インティクリエイツが手がけるライトノベル2Dアクション・ガンヴォルトより、

川上領作曲、『駆け抜ける電光』。オノゴロフロートのミッションで流れます。

ロックマンシリーズで知られるインティ・クリエイツの初のパブリッシングタイトルとして、3DS向けにダウンロード専用で登場した本作。人類が第七波動と呼ばれる異能に目覚め、能力者を管理する巨大企業・皇神と、反皇神を掲げる私設武装組織・フェザーの対立が深まるなか、フェザー所属の少年・ガンヴォルトは皇神の実験体である電子の謡精(サイバーディーヴァ)・シアンとモルフォとの出会いを通じて激しい戦いに身を投じることになる。ジャンル名にライトノベルとある通り、ライト層を意識したクールでスピーディーな作風が特徴で、ロックマン譲りの爽快なアクションと個性豊かなキャラクターで彩られる熱いシナリオが特徴である。後にPC向けにも移植された。

本作の音楽を担当するのは川上領氏、畑添美奈氏、山田一法氏、吉田克則氏の四名。いずれもインティ・クリエイツ所属の作曲家で、このうち山田氏はインティ・クリエイツの創設者である傍ら、サウンドプロデューサーも務めている。本作の楽曲は、SFチックな世界観に合わせた近未来風の音使いが印象的で、ゲーム中で一定の条件を満たすことでヒロインのモルフォが歌うボーカル曲に切り替わるという仕掛けも用意されているなど、音楽には力を入れている。サウンドトラックはボーカル曲も含めて収録されているが、一部PC版の追加曲などは後発のボイスドラマとあわせて収録されている。

巨大な人工島・オノゴロフロートは、絶えず風雨にさらされるスリリングなステージである。そこで流れるこの曲は、強風の勢いを感じさせる疾走感あふれる一曲である。イントロからすでに絶頂の盛り上がりの状態で奏でられる旋律は、電子音特有の荒々しさを表現した、突き刺すような鋭さを有していて、ミッション攻略の士気を高めてくれる。終始ハイテンションに響き渡るエレクトロニックサウンドは、雷霆の如く駆け抜けるスタイリッシュなゲーム性を見事に反映している。

曲調といいリズム感といい、この曲はなんだか丸ごとガンヴォルトの魅力を凝縮したような気さえします。