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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#238 『Silent Shadow II』(佐藤共良・濱田誠一/探偵 神宮寺三郎 夢の終わりに/PS・SS)

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データイーストがおくるハードボイルドアドベンチャー神宮寺三郎より、

佐藤共良・濱田誠一作曲、夢の終わりにの『Silent Shadow II』。

捜査パートで流れます。

新宿に事務所を構える探偵・神宮寺三郎を主人公に、煙草片手に舞い込む依頼をこなしていく神宮寺三郎シリーズ、その6作目にあたる本作。かつてニューヨークに在住していた頃の悪夢に悩まされる神宮寺は、助手の洋子の旧友・永田由香からの依頼でよくあるストーカー調査をこなすも、やがて時を同じくして多発する連続失踪事件へと関連する大事件に発展していくことになる。シリーズおなじみの重厚なシナリオとビジュアルは健在で、新要素として、節ごとに操作キャラを切り替えて、複数の登場人物の視点から物語を追体験できるザッピングシステムが採用されている。集めた情報から推理するD-MODEや現場を捜査するS-MODEなどが初登場したのも本作で、意欲的な新システムを多く取り入れることでゲーム性が強化された仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは浜田 'atomic' 誠一こと濱田誠一氏と、佐藤 'tom' 共良こと佐藤共良氏。いずれも当時、データイーストお抱えのサウンドチーム・ゲーマデリックに所属していた作曲家である。本作の楽曲は今までと同様、ジャズやラウンジ風のサウンドが勢揃いしていて、今回からは生演奏を収録することで臨場感に磨きがかかっている。サウンドトラックは一時期発売されていたものの、現在廃盤になっている。

捜査パートで流れるのがこの曲である。曲名に「II」とある通り、同じく神宮寺三郎の捜査パートの曲として『Silent Shadow I』や『Silent Shadow III』も存在するが、伴奏や雰囲気重視のそれらの曲と比べて、この曲はメロディーラインがはっきりとしている。ラグジュアリーな空気感を醸す官能的なサックス、優しく添えられるピアノ、軽快に響き渡るビートは、いずれもダンディな魅力に満ちている。とりわけ48秒頃や1分3秒頃、1分18秒などで咽び泣くような演奏を披露することで、いっそう心地良く酔い痴れることのできる印象を与える。落ち着きとノリの良さが融合した洒落た一曲である。

俺は煙草に火をつけた――というフレーズにぴったりですね。『Silent Shadow I』と『Silent Shadow III』もあわせてどうぞ。

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