VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#246 『Valley of Salvation』(工藤吉三/Caladrius/X360)

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MOSSがおくるゴシックホラーシューティング・Caladriusより、

工藤吉三作曲、『Valley of Salvation』。ステージ2の道中で流れます。

雷電シリーズなどの硬派な作品で知られるMOSSによる新作シューティングとして登場した本作。伝説の錬金術師・パラケルススの天才的な発見により繁栄を享受する世界を舞台に、パラケルススの禁呪を解き放ち、自国民から魂を吸い上げ兵器に仕立て上げたバラダン王国の狂王・グラハムに立ち向かうべく、三人の若者が戦いに身を投じることになる。錬金術を下敷きにしたファンタジックな世界観と、キャラを売りにした作風が特徴で、シューティング自体のゲーム性は雷電譲りの堅実な仕上がりとなっているが、一定のダメージが蓄積すると服が破ける羞恥ブレイクが存在するなど、意欲的な要素も詰め込まれている。後に新要素を追加したBLAZEがPS3向けに登場した。

本作の音楽を担当するのは工藤吉三氏、千葉梓氏、並木学氏の三名。いずれも音楽制作会社ベイシスケイプに所属していた(並木氏は当時すでに退社済みで、工藤氏は今も所属している)作曲家である。ゴシックホラーというコンセプトでは、本作以前にもケイブデススマイルズの作曲も担当しているが、本作の楽曲は、音楽の評価が高いそちらと遜色のないクオリティとなっている。ダウンロードコンテンツとして8bitサウンドパックが有料配信されていて、そちらでは原曲とは一味違うレトロ感満載な刺激的な音色も堪能できる。サウンドトラックはオリジナル版、PS3版ともに存在するが、どちらも限定盤に付属された非売品である。

最初のステージを抜け、辿り着いた先のステージ2にて流れるのがこの曲である。非常に爆発力のあるヒロイックなストリングスから始まり、重厚なエレキギターと軽快なハープシコードが繰り出す鮮やかな音階が後を追う。矢継ぎ早に畳みかけてくるシンフォニックな音使いは、すべてがサビと言わんばかりの絶頂の盛り上がりを維持し続け、その旋律は重苦しいながらも不思議と開放感にあふれている。「救済の谷」を意味する曲名にふさわしい、力強いカタルシスに満ちた一曲である。

いかにも工藤さんっぽい高密度なロックナンバーですね。

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