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#255 『Chapter 3』(Masayuki Ito/弾幕月曜日/iOS・And)

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Masayuki Itoがおくる弾幕シューティング・弾幕月曜日より、

Masayuki Ito作曲、『Chapter 3』。チャプターモードの3章で流れます。

.Declusterで知られるインディーゲームクリエイター・Masayuki Ito氏の新作として基本プレイ無料で登場した本作。極彩色の美しいグラフィックと、初心者でもシューティングの面白さが伝わるよう工夫されたゲーム性が特徴である。腕を磨きながら徐々に難易度が上昇していく全5章構成のチャプターモードと、自らの限界に挑みながら本気のスコア稼ぎが堪能できるチャレンジモードに分かれている。当初こそ性能が著しく低い自機も、強化すれば幾多もの死線を越えられるようになる。難易度があがればあがるほど、敵を殲滅していく爽快さは増していく仕組みで、弾幕STGらしい手応えのある仕上がりとなっている。後にSteamに移植された。

本作の音楽を担当するのはMasayuki Ito氏。開発者本人が作曲も手がけていて、そのアップテンポでハイテンションな楽曲は、いずれもシューティングの醍醐味を詰め込んだ清涼感たっぷりの出来栄えである。氏は自身のYoutubeのチャンネルで本作に限らずデクラスタの分までサウンドトラックを全曲公開していて、サウンドクラウドのアカウントでも同様である。本作ではほぼ全曲に共通して使われるメインフレーズがあり、曲のバラエティは乏しいが、抜群の統一感を誇る。

チャプターモードの3章で流れるのがこの曲である。他の曲と比較してイントロの溜めがほんのすこし長めで、メインフレーズの入りが25秒あたりと、『Chapter 4』の27秒に次いで遅い。メインフレーズ以外の間奏部分は、電子音はもちろんのこと、エレキギターやピアノ、ストリングスをふんだんに用いた浮遊感あふれるサウンドが奏でられる。特筆すべきは二度目のサビの後に待ち受ける2分8秒からのピアノソロで、息をつく暇もない激しい弾幕地獄から束の間だけでも開放してくれるような錯覚を与える。その後に怒涛の勢いで押し寄せる緊迫した旋律は、放心した意識をぐっと現実に引き戻してくれる。折り返し地点にふさわしいダイナミックなメリハリに満ちた一曲である。

ピアノソロが美しいと言えば『Chapter 4』のイントロもそうですね。記事ではどっちを紹介しようか悩んだのですが、後半にソロがあるこの曲のほうが個人的には印象に残りました。『Chapter 4』もあわせてどうぞ。

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