杉森雅和作曲・山田靖子編曲、『糸鋸圭介 ～やるときはやるッス』。
原曲は初代逆転裁判の『糸鋸圭介 ～イトノコ刑事ッス』で、イトノコ刑事のテーマ。
逆転裁判シリーズのスピンオフとして登場した本作。弁護士の成歩堂龍一を主人公とする本家シリーズとは異なり、彼の親友にしてライバル検事の御剣怜侍が主役で、海外出張を終えた御剣が巻き込まれた一連の事件の謎を解き明かしていくことになる。逆裁譲りの個性豊かなキャラクターたちと奥深いシナリオは本作でも健在で、法廷パートに代わり捜査パートで証拠を集め、対決パートで事件関係者や犯人を追い詰めていく。逆転裁判らしさを受け継ぎつつ、本編では直接見られなかった天才検事の華麗な逆転劇を楽しめる仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは岩垂徳行氏と山田靖子氏。岩垂氏は音楽制作会社ツーファイブに、山田氏はリーブに所属する作曲家である。このうち岩垂氏は逆裁3以降、4では不参加だったものの軒並みシリーズの作曲に携わっている。対する山田氏は今のところ後にも先にもシリーズへの参加は本作のみである。本作の楽曲は全体的に、御剣のクールでスタイリッシュな雰囲気に合わせて、洗練されたお洒落なものが多い。サウンドトラックはオリジナル音源のもののほか、限定付録として岩垂氏が編曲したオーケストラミニアルバムが存在する。
糸鋸刑事、通称イトノコ刑事は、逆裁シリーズでもおなじみのお茶目な刑事である。御剣直属の刑事として殺人の初動捜査を担当する彼は、ありとあらゆることに空回りしつつも仕事に対して誰にも負けぬ情熱を持った熱血漢で、この曲はその彼のテーマ曲である。原曲『イトノコ刑事ッス』の貫禄あふれる曲調をアップテンポにアレンジしたもので、ピアノの音色を主旋律に据えることで逆検らしい小粋な雰囲気を漂わせている。それでいてやはり変わることなく哀愁を帯びたその曲調は、どんな逆境にも屈することのないイトノコ刑事の強さを表現しているかのように感じられる。
もともと原曲が好きだったのですが、このアレンジはこれまたなかなか素敵ですね。杉森雅和さん作曲のGBA原曲『糸鋸圭介 ～イトノコ刑事ッス』、あわせてどうぞ。
