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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#267 『over the wind』(甲田雅人/ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター/PS2)

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ディアビジョンがおくる荒野と口笛のRPGワイルドアームズより、

甲田雅人作曲、4の『over the wind』。アウトフィールドとルートダンジョンの曲。

SFと西部開拓時代のエッセンスが融合した惑星ファルガイアを舞台に繰り広げられるワイルドアームズシリーズのうち、ナンバリング4作目にあたる本作。戦争の傷跡が色濃く残る戦後世界のファルガイアを舞台に、戦争とは無縁な村で育った少年・ジュードは、村にやってきた飛空戦艦に軟禁されていた少女・ユウリィとの出会いをきっかけに、強力な兵器・ARMを扱う力に目覚めることになる。シリーズ最年少の主人公を中心に、大人と子供、そして進化をテーマとした物語が紡がれる。戦闘システムは六角形のマス目状のフィールドで繰り広げるHEXバトルが導入されていて、位置取りや戦術性が鍵を握る一方で、基本的には速戦即決のバランス調整がされている。ややボリュームが不足気味だが、全体的にテンポが良くまとまった堅実な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは甲田雅人氏、清水信之氏、鈴木隆太氏、なるけみちこ氏。編曲には外山和彦氏が引き続き参加している。このうち清水氏はゲーム音楽を担当するのは本作が初めてである。また、甲田氏は音楽制作会社デザインウェーブに所属する作曲家で、シリーズ初参戦の本作以降、WAシリーズに携わることになる。荒野と口笛というコンセプトはそのままに、おなじみのなるけ氏以外の作曲家たちも加わることで、バラエティ豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックは主題歌も含めて4枚組で収録されている。

アウトフィールドおよびルートダンジョンにて流れるのがこの曲である。アコースティックギターハープシコードの素朴なイントロから始まり、口笛を用いない代わりに、その有り余るほどのヒロイックな曲調によって荒涼とした大地をたっぷり表現している。ギターの質素で温かみのある音色がすこしの哀愁を漂わせ、さらにそこに捉えどころのない電子音が交わることで、郷愁を誘いつつも先へと進む意志を力強く駆り立ててくれる。風を越え、未知なる世界に飛び出す昂揚感を彩り豊かに印象付ける一曲である。

陽気で前向きだけど、ほろりと哀愁を滲ませているところが良いですね。