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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#270 『Stories』(Ax/pop'n music 17 THE MOVIE/AC)

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コナミがおくる音楽シミュレーション・pop'n musicより、

Axことonoken作曲、17の『Stories』。収録曲の一つ。

音ゲーの統一ブランド・BEMANIシリーズのうち、カラフルな九つのボタンを用いたポップでキュートな路線を征くポップンシリーズ、そのナンバリング17作目にあたる本作。副題にある通り、今回は映画をテーマとしていて、映画監督を模したキャラや映画のフィルムを思わせる画面構成など、デザイン面で映画らしさが反映されている。選曲画面でジャンル名のみならず曲名でもソートできる機能が追加されたほか、EX譜面の常駐条件が緩和、新曲は一度譜面をクリアできればいつでもEXで遊べるようになった。馴染みのオリジナル曲を中心に収録曲の入れ替えと刷新がおこなわれるなどの大胆な動きもあるが、全体的に利便性が向上した仕上がりとなっている。

ポップンシリーズは音ゲーのなかでも群を抜いて収録曲数・バラエティともに充実していることで知られ、本作では777曲収録されている。一方で、先に触れた通り、それまで長らく常連のように居座っていた楽曲が相当数削除され、楽曲の世代交代とも言うべき現象が発生した。代わりに新曲も多数追加され、なかでも本作でオリジナル楽曲を書き下ろしたAx氏はシリーズ初参戦である。新人とは思えない洗練された曲調が話題を集め、その正体はBMS界隈で有名なonoken氏その人だと明かされると、以降はポップンのみならずユビートや本家の弐寺にも楽曲を提供することになった。サウンドトラックはオリジナル曲を中心に2枚組で収録されている。

〈ピアノテック〉というジャンルに収録されているこの曲は、本作初出のオリジナルキャラクター・一条司令のテーマ曲としてあてがわれている。一条司令は世界を揺るがす陰謀に立ち向かう敏腕刑事で、従来のポップンシリーズには類を見ない渋いキャラクター性が特徴である。この曲では、最初から最後まで一貫して奏でられる硬派で流麗なピアノ音と、伏線を張り巡らせるかのように謎めいた響きを持つドラムンベースの両方が、ポップな路線とは一線を画する切れ味の良さを漂わせている。譜面に関しては、特に終盤あたりで虚を突かれて思わずミスしそうになるしたたかな配置が、挑戦し甲斐のある仕上がりとなっている。

一日遅れですが20周年おめでとうございます。