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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#271 『風を切って』(大山曜/クラシックダンジョン ~扶翼の魔装陣~/PSP)

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日本一ソフトウェアがおくるアクションRPG・クラシックダンジョンより、

大山曜作曲、『風を切って』。

もえたぎる洞窟をはじめ、ダンジョンで流れる曲の一つ。

日本一ソフトウェアの新作ARPGとして、なつかしいけどあたらしい、「なつあたらしい」をコンセプトに登場した本作。ある者は宝を求め、ある者は力を求め、それぞれ異なる野望を持った冒険者たちは、異界のダンジョン・マノアカズに挑むことになる。ドット絵を基調としたレトロ風のグラフィックが特徴で、やり込みに特化したダンジョンやキャラメイク、陣形の組み合わせにより主役(任意のキャラ)のステータス強化を図れる魔装陣システムなど、自由度の高い要素が勢揃いしている。短い時間でさくっとプレイできる手軽なゲーム性も相まって、ダンジョン好きには一見の価値がある仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは大山曜氏、神保伸太郎氏、筒井香織氏。いずれも音楽制作会社ZIZZ STUDIOに所属する作曲家たちである。本作の楽曲はレトロ音源とリアル音源が両方用意されていて、好きなときにいつでもレトロとリアルを切り替えることができる。全体的な傾向としてケルトアンデスといった民族音楽調のものが多く、リアル音源では民族楽器特有の音使いが、レトロ音源では8bitならではの素朴さが引き立っている。サウンドトラックは2枚組で、Disc1にリアル、Disc2にレトロ音源がそれぞれ収録されている。モンスターハウス

もえたぎる洞窟、モンスターハウスなどのいくつかのダンジョンで流れるのがこの曲である。まずもってイントロの爆発的なフィドルが心を揺さり、続いてブズーキと思しき撥弦楽器による伴奏とともに、疾走感あふれる旋律がメロディアスに紡がれていく。さらにそこにイリアンパイプスのようなバグパイプの音色が加わると、否が応でも耳に残る強烈なインパクトを誇る。そのうえピアノやエレキギターまでもをごちゃまぜにして奏でられる陽気なアンサンブルは、時を忘れて没頭してしまいそうなお祭り気分を生み出す。思わずわくわくするような冒険感と昂揚感を駆り立ててくれる一曲である。

アイリッシュ系の主張の激しい楽器同士による饗宴、といった印象ですね。レトロ音源だと主旋律の美しさはそのままに、落ち着きのある質素な雰囲気になっています。『風を切って 8bit ver.』、あわせてお聴きください。

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