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#285 『帝都アグニラータ』(ACE+/ゼノブレイド/Wii)

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モノリスソフトがおくるオープンワールドRPGゼノブレイドより、

ACE+(CHiCO・工藤ともり・平松建治)作曲、『帝都アグニラータ』。

機神界にある帝都アグニラータにて流れます。

ゼノギアスゼノサーガでおなじみのゼノを冠する作品として、世界観を一新して登場した本作。大昔の戦争で死に絶えた巨神と機神、二柱の神の骸を舞台に、そこに息づく生命の生き様を描いている。緻密に練り込まれた舞台設定と世界の仕組み、見渡す限りの広大なフィールド、敵からの致命的なダメージを予測してピンチを乗り越えることができる未来視によるスリリングな戦闘システムが特徴である。そこにクエストやユニークモンスター(フィールド上に鎮座する強力なボスモンスター)といった寄り道要素も相まって、総じて完成度が高いWii屈指の大作に仕上がっている。後にNew3DS向けに移植されたほか、HD化して追加要素を付したリマスター版がスイッチ向けに登場した。

本作の音楽を担当するのは清田愛未氏、下村陽子氏、それにACE+の面々である。ACE+とは、CHiCO氏と工藤ともり氏から成る音楽ユニット・ACEに、本作限定で平松建治氏が参加したものである。この他、編曲や主題歌のみの参加で成田勤氏や光田康典氏も参加している。下村氏を除く作曲家たちは軒並み続編の2でも作曲をおこなっていて、その際、平松氏はACE+名義ではなく単独で作曲を手がけている。作中のムービーシーンに合わせて音楽がシンクロするなど、サウンドに対するこだわりが随所で窺われ、こうした良質な楽曲群もまた本作の大きな特色の一つである。サウンドトラックは全曲収録した通常のものに加え、New3DSの早期購入者特典のミニサントラ、スイッチ版の限定盤に同梱されたミニサントラがそれぞれ存在する。

マシーナや機神兵といった機械生命体が生息する機神界フィールドのうち、物語終盤に訪れる、遥か昔の大戦で廃墟と化した帝都アグニラータで流れるのがこの曲である。優しく、穏やかなピアノの音色から始まり、消え入りそうなバイオリンの高音が加わるなか、やがてハープを交えてすこしずつ力強さを増していく。すでに滅びて久しいながらも、かつての栄光を求めるがごとく展開していく旋律は、2分14秒あたりから帝都としての威厳を束の間だけでも取り戻し、悲痛なまでの美しさを見せつける。

対する夜は、ピアノを引き立たせて物悲しさを強調した『帝都アグニラータ / 夜』。こちらもとても素敵です。あわせてどうぞ。

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