スティングがおくるアクティブ＆タクティカルRPG・ナイツインザナイトメアより、
林茂樹作曲、『皇女アーリエとの激突』。アーリエ戦で流れます。
約束の地リヴィエラの系譜を辿る作品群・Dept. Heaven Episodesシリーズの一つにあたる本作。難攻不落と名高い王族の居城・アーヴェンヘイムが突如として冥府の魔物たちによって陥落すると、実体を持たぬ彷徨える魂・ウィスプは、一時的に騎士に魂を与える力を使って城を目指すことになる。登場するキャラクターはゆうに100人を超え、ジャンルの垣根をことごとく吹き飛ばすような、シミュレーションとも弾幕シューティングともアクションともとれる独特なゲームシステムが特徴で、ユニットを指揮するSRPGライクな感触に、敵弾を避けるSTGらしさ、タッチペン操作で手際よくスキルを発動して攻撃するアクションっぽさが融合している。癖の強いシリーズのなかでも一際異彩を放つ斬新な仕上がりとなっている。後にPSPにも移植された。
本作の音楽を担当するのは林茂樹氏。D.H.Eシリーズには足立美奈子氏とともに第1作から参加していて（WSC版は足立氏が単独で作曲しているが、GBA版以降の追加曲は林氏の担当分である）、本作ではすべての楽曲を単独で作曲している。音源はDS版とPSPのリマスター版の二つが存在するが、どちらも遜色のないレベルに洗練されている。曲数は非常に多く、こと40曲近く用意されている戦闘曲は、一度きりしか使われないものもすくなくない。サウンドトラックはDS音源とPSP音源を収録したものがそれぞれ発売されている。
アーリエ戦で流れるのがこの曲である。アーリエは飛竜人ティアムート族の凛々しい少女であり、聡明さと麗しさを兼ね備えた皇女である。その戦闘を彩るにあたって、美しく鳴り響く鐘にあわせて奏でられるピアノが、彼女らしい強さと気高さを彷彿させる。ストリングスやコーラスが紡ぐ絢爛華美な音使いは、どこか知性的な香りを漂わせている一方で、雰囲気が変わる33秒以降などをはじめ、激突という曲名にふさわしい情熱的な印象を与える。凛とした格好良さにあふれた一曲である。
ベースラインがいいですよね。気品と情熱がとてもよく伝わってきます。
