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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#306 『フィールド(くさのくに)』(小林早織/シルヴァンテイル/GG)

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セガがおくるトップビュー型アクションRPG・シルヴァンテイルより、

小林早織作曲、『フィールド(くさのくに)』(仮称)。草の国のフィールド曲。

1995年、ゲームギア末期の作品として発売された本作。ひょんなきっかけでシルヴァラントと呼ばれる異世界に呼び寄せられた主人公ゼッツが、シードと呼ばれる変幻自在のアイテムを駆使しながら、世界を破滅に導こうとする巨悪に立ち向かう、という筋書きである。ゼッツはシードの形態によってカメやネズミ、人魚など、様々な姿に変身することができ、変身形態に応じた特殊能力を身に着けることで、からくりを解いて先に進めるようになる。ハードの性能を活かした色鮮やかなグラフィックと、そこそこ歯応えのある良質なゲーム性とが相まって、ゲームギア作品のなかでも頭一つ抜けた秀逸な出来だと評価されている。

本作の音楽を担当するのは小林早織氏。当時セガに所属していた作曲家で、後に同じくセガによるAZELパンツァードラグーンRPGの作曲を務めたことで知られている。音の制約が多いなかで、PSG音源を用いて奏でられるサウンドは、いずれもハイファンタジー調の世界観にぴったりな、起伏に富んだ仕上がりとなっている。サウンドトラック等は発売されていないため、曲名は便宜上の仮称とする。

オープニングが明けて最初に訪れることになるくさのくには、辺り一面草原が広がる豊かな土地である。そこのフィールドで流れるこの曲は、タイトルおよびオープニングの際に流れる曲の寂寥感あふれる旋律を、オクターブを下げてテンポを上昇させることで勇ましくアレンジしたものであり、スタッフロールの曲にも一部メロディーラインが用いられることから、本作のメインテーマ的な位置づけと言っても過言ではない。王道な冒険譚の幕開けにふさわしい前向きでファンタジックな音使いは、PSG音源特有のざらつきがあってこそより美しく映え、旋律と音源の両方の魅力が存分に引き出されている。

オープニングの曲とスタッフロールの曲もあわせてどうぞ。

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