VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#311 『中ボス(アレンジ)』(荒川憲一/幻霧ノ塔ト剣ノ掟/NDS)

www.youtube.com

サクセスがおくる3DダンジョンRPG幻霧ノ塔ト剣ノ掟より、

荒川憲一作曲、『中ボス(アレンジ)』。アレンジverにおける中ボス戦の曲。

3Dダンジョンの金字塔・ウィザードリィを念頭に、古き良き時代のコンピューターRPGを彷彿させる本作。時代相応のグラフィックとサウンドが楽しめるアレンジverと、このご時世では滅多にお目にかかれないワイヤーフレーム調のグラフィックにレトロなサウンドという原始的な組み合わせによるファミコン風の表現が堪能できるオリジナルverが搭載されていて、プレイ中随時切り替え可能である。オールドゲームへの原点回帰を謳うだけのことはあり、人を選ぶ作品ではあるが、一部の冒険者にとっては懐かしさにあふれ、想像力を極限まで刺激される硬派な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは荒川憲一氏。サクセスに所属する作曲家で、PC98時代からゲーム音楽に携わっているベテランである。上述の通り本作ではアレンジとオリジナルによってBGMが二種類用意されていて、当然ながらそれぞれ用いられる音源も異なっている。比較的制約のすくないアレンジverでの伸び伸びとした音使いと、制約が激しいオリジナルverでのFM音源風の圧迫されたチップチューンとでは、聴こえ方にかなり差があって、聴き比べるだけでも面白い。

オリジナルverでは『中ボス(オリジナル)』が用いられるところの中ボス戦において、アレンジverを選択した際に流れるのがこの曲である。オリジナル・アレンジともにイントロから勝負を仕掛けるかのようなパワフルな始まり方をし、続いて奏でられる、高音から低音まで目まぐるしく這い回るピアノの旋律は、美しさよりも禍々しさを喚起させる。コーラスが加わると、邪悪さがますます強調され、その猛り狂ったような疾走感が、前途多難な冒険者の恐怖を煽り立てる。オリジナルverでは音数のすくなさゆえにメロディーラインの秀逸さがより鮮明に浮かび上がり、郷愁と狂気を同時に誘う。

音楽の良さはさることながら、公式ホームページと、あと電撃オンラインの特集サイトのクオリティが非常に高いので、気になる方はぜひ調べてみてください。『中ボス(オリジナル)』、あわせてどうぞ。

www.youtube.com