VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#326 『Alect Squadron / Armada』(竹ノ内裕治/エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション/PSP)

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バンナムがおくるフライトシューティング・エースコンバットより、

竹ノ内裕治作曲、Xの『Alect Squadron / Armada』(仮称)。

ミッション13Aおよび13Bで流れます。

フライトシューティングの代表作として名を馳せるエスコンシリーズのうち、開発をアクセスゲームズに外注して、国内初(北米限定でGBA版が発売されている)の携帯機用作品として登場した本作。Strategic AI Systemと呼ばれる新システムを搭載することで、プレイヤーの選択次第でミッション内容が変化し、同じステージでも多彩なドッグファイトを楽しめるつくりとなっている。機体の数も据え置き機に匹敵するレベルの豊富さで、グラフィックや操作性など、ハードの制約上及ばない部分もあるが、全体的に「PSPの真価を呼び醒ます」「超密度エースバトル」という大胆な謳い文句に恥じぬ完成度の高さを誇っている。

本作ではスタッフロールの表記が少々複雑であり、かつサウンドトラックが未発売のため、誰が実際に作曲をしたのかを特定するのには難儀するが、ここではSOUND BGM SUPERVISORのもとで名を連ねるYuji TECHNOuchiこと竹ノ内裕治氏について取り扱う(MUSICの欄には敬称略・原文ママAkira Yamasaki、Hitoshi Akiyama、Seiji Koike、Maiko Iuchiの名前が確認できる)。竹ノ内氏はコナミSCE、フロム、アクセスゲームズと様々な業界を渡り歩いてきた作曲家で、発売当時は本作の開発元であるアクセスゲームズに所属していたわけではなかったが、後に本作という縁もあってか2014年に移籍することになる。TECHNOuchiという別名義から窺えるように、氏の得意ジャンルはテクノで、本作ではシリーズ初参加ながらもエスコンサウンドに見合った良質な楽曲(路線としては3のエレクトロスフィアに似た作風のもの)が揃っている。しかし前述の通り残念ながらサウンドトラックは未発売のため、曲名は使用されたミッションに応じて便宜上の仮称とする。

ミッション13A「Alect Squadron」と13B「Armada」にて流れるこの曲は、本作のメインテーマである『Prelude / Joint Operation』のロックアレンジである。メインテーマのほうはどことなく現実離れしたフューチャリスティックな曲調だが、この曲はそうした近未来的なヴァイブを漂わせつつも、あくまで今この瞬間、目の前で起きている戦闘にだけ集中せよ、と言わんばかりの実際的な厳格さが、研ぎ澄まされたエレキギターの旋律から滲み出ている。ここに来る頃にはプレイヤーは凶星ネメシスの通り名を得ることになるが、イントロから焦らし続けてようやく56秒あたりでメインテーマのフレーズが挿入されると、その実力を思う存分ぶつけるにふさわしい壮大な盛り上がりを見せつけてくれる。

メインテーマアレンジは定番ですが、元々おとなしめな曲がこうも激しく情熱的になると、感慨深いです。メインテーマもどうぞ。

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