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#340 『終点』(植松伸夫/大乱闘スマッシュブラザーズX/Wii)

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ソラがおくるオールスター対戦型アクション・スマブラより、

植松伸夫作曲、Xの『終点』。同名のステージで流れます。

様々なゲームからのキャラクターが結集し、白熱した試合を繰り広げるスマブラシリーズのうち、HAL研究所から有限会社ソラに開発が移った初の作品として、Wiiで発売された本作。任天堂のオールスターはもちろん、セガソニックコナミのスネークなど、メーカーの枠を超えた複数のキャラが新たに参戦した点とが特徴である。通常の対戦モードである大乱闘に加えて、亜空の使者と呼ばれるクロスオーバー型のアドベンチャーモードも収録されている。また、キャラごとに異なる必殺技を放てる最後の切りふだが登場したほか、待望のオンライン機能が追加された。圧巻のボリュームでシリーズの新天地を切り拓いた仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはゲーム音楽界で活躍する数多くの作曲家たち。前作まではHAL研が開発していた都合上、安藤浩和氏や酒井省吾氏などが中心となって作曲および編曲を担っていたが、本作では彼ら以外にも実に40近くの作曲家たちが一堂に会している。そのなかでも植松伸夫氏は、本作の核となるメインテーマの作曲を務める大役を果たしている。本作から新たに導入されたステージごとに自分好みに音楽を設定できるオレ曲セレクトというシステムにより、今まで以上に本格的に音楽を堪能できる仕上がりとなっている。サウンドトラックは未発売だが、作中にサウンドテストが存在する。

終点、本作の対戦ステージのなかで最もシンプルな構造をした、最もプレイヤーの実力が問われるであろう場所で流れるのがこの曲である。メインテーマのアレンジで、壮大なオーケストラとコーラスを組み合わせることで、真剣勝負の張り詰めた雰囲気を見事に捉えた一曲である。30秒あたりから疾走感あふれるエレキギターを取り入れて乱闘というシチュエーションにふさわしい盛り上がりを見せ、ピアノやストリングスと絡み合ってさらに激しく曲が展開していくと、ふと1分27秒でオルゴール風の優しい音色が挿入される。そこからは希望に満ち溢れた曲調が続き、40秒間にも及ぶ長い間奏の末、やがてループへ至る。宇宙や星空を背景とした荘厳なステージにふさわしい、本作の代表曲である。

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