バンダイナムコがおくるドラマチックフライトシューティング・イノセンテイセスより、
中村和宏作曲、『ラストバトル（Mission17・3次ミッション）』（仮称）。
ラスボス戦で流れます。
森博嗣氏による架空戦記シリーズ「スカイ・クロラ」を基に、バンダイナムコのエースコンバットのチームがWii向けに開発した本作。完全な平和が実現した未来社会を舞台に、平和を実感するための手段として、政府と契約した企業が「ショーとしての戦争」を演じるなか、ロストック社のパイロットである主人公は、部隊に新任した少年少女たちとともに空を駆けることになる。ヌンチャクを操縦桿に、Wiiリモコンをスロットルに見立てて駆動する直感的な操作性が特徴で、TMC（タクティカル・マヌーヴァ・コマンド）と呼ばれるシステムを駆使することで、シンプルかつアクロバティックなドッグファイトを堪能できる。多くを語らない原作の作風はそのままに、美麗なグラフィックや壮大なサウンドと相まって、大空を飛び回る快感を追求した仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは中村和宏氏。かつてナムコやモナカに所属していた、現在フリーの作曲家で、本作の発売当時はすでにモナカに移籍した後だったが、ナムコ（厳密にはバンナム）発の本作においても作曲を担っている。本作では、エスコン譲りの世界観で繰り広げられる別機軸のストーリィに見合った、爽快かつミステリアスな情緒あふれる楽曲が多く、複数のミッションをまたいで同じ曲が微アレンジされながら用いられている。残念ながらサウンドトラックは未発売であるため、曲名は便宜上の仮称とする。
Mission17「沓岳天」の最終ミッションにおけるラスボス戦で流れるのがこの曲である。空戦の楽しさに魅了されたがゆえに主人公と戦う道を選んだ相手との一騎打ちで、主人公機を強化すればそれに応じて相手も強化され、異様な機動力と強靭な耐久力でこちらを翻弄してくる、そうしたラスボスとの最終決戦を彩るにあたって、イントロの最初の一音から絶頂の勢いを印象付ける。高らかに舞う女声コーラス、豪快に鳴り響くギター、張り詰めたピアノ、異様な昂ぶりをみせるストリングスが組み合わさることで、過激なほどドラマチックに盛り上がっていく。このミッション以前にも他所でフレーズを共有した別アレンジが流れているが、この曲はとりわけ情熱的で容赦ない焦燥感に満ちている。1分48秒からの荒ぶるギターフレーズの秀逸さも相まって、火花散るエース同士の苛烈な鍔迫り合いにふさわしい一曲である。
空を駆ける感覚がひしひしと伝わってきて、とても格好良いですね。アレンジのほうは結構たくさんあるのでここで紹介するのは控えておきます。
