VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#358 『アメニュウドウ戦』(朝日温子・早崎あすか・若井淑/ピクミン3/WiiU)

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任天堂がおくる惑星探索AIアクション・ピクミンより、

朝日温子・早崎あすか・若井淑作曲、3の『アメニュウドウ戦』(仮称)。

アメニュウドウ戦で流れます。

ピクミンと呼ばれる不思議な生きものを随えて未知の星を探検するピクミンシリーズのナンバリング3作目にあたる本作。食糧難に陥った母星を救うべく別の惑星に派遣された三人の調査隊員を主人公に、まだ見ぬ果実を求めて働き者のピクミンたちと協力することになる。9年ぶりの新作にふさわしく、新しい主人公、新しいピクミン、新しい原生生物など、多数の新要素が追加されていて、グラフィックもゲームキューブ時代から大幅にパワーアップしている。メインとなるストーリーモードのほか、制限時間内に目的を達成させるミッションモード、2人対戦でビンゴを遊べるビンゴバトルモードが搭載されている。より活き活きとした進化した映像表現が印象的な仕上がりとなっている。後にスイッチ向けにリメイクされた。

本作の音楽を担当するのは朝日温子氏、早崎あすか氏、若井淑氏。いずれも任天堂に所属する作曲家で、このうち若井氏は前作と前々作に引き続き作曲に参加している。朝日氏と早崎(旧姓は太田)氏に関しては、それまで若井氏が単独で作曲をおこなってきたことから、本作がシリーズ初参戦となっている。1、2で培われた環境音楽風のサウンドを踏襲しつつ、天候や時間帯によってインタラクティブにBGMが切り替わるという工夫が凝らされている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

アメニュウドウ戦で流れるのがこの曲である。哀しき獣という名でも知られる、全身が金色に覆われたこの巨大な原生生物は、前作の主人公・オリマーを軟禁し、執拗に追い回してくる危険極まりない本作のラスボスである。そのラスボス戦を彩るにあたって、イントロからストリングスの張り詰めた伴奏を背景に、カリンバと思しき音色が躍動感たっぷりに響き渡ることで、並々ならぬ切迫感を漂わせる。10秒頃から入る主旋律は勇ましげだが、24秒からは一転して不穏な調べを奏で、30秒で再度勇ましさを取り戻すと、39秒でオーケストラの盛り上がりが最高潮に達する。以降、管弦楽器、オルガン、パーカッションなどが一緒くたになっていっそう緊張感を増していくが、さらにもうひとひねり、1分22秒あたりからくねくねと蛇行するような不協和音が入って独特な響きを生み出す。謎の多いアメニュウドウの生態を如実に表した一曲である。

良い荒ぶり方ですね。ループ直前の1分42~43秒のストリングスがまた絶妙にホラーっぽくて、よく雰囲気に合ってます。