VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#361 『MAIN THEME』(川口博史/ハングオン/AC)

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セガがおくる体感ゲームの元祖・ハングオンより、川口博史作曲、

『MAIN THEME』(『Main Theme』とも)。文字通り本作のメインテーマ。

今となってはゲーセンのいたるところで見かける体感ゲームの記念すべき第1作目として1985年に登場した本作。真っ赤なバイク型の筐体(シットダウンタイプではこの限りではない)にまたがって、左右に傾けることでゲーム内でのコーナリングを可能とする、当時としては斬新な操作性が注目を集めた。グラフィックも当時としては非常に画期的な疑似3Dを採用していて、制限時間内にラップをクリアすれば最大5コースまで連続でプレイすることができる。セガ・マークIIIをはじめ、様々なハードに移植されていて、2年後には大幅にパワーアップした続編のスーパーハングオンが登場した。

本作の音楽を担当するのはセガ所属の川口博史氏。HiroあるいはHiro師匠という呼び名でも知られる氏は、他ならぬ本作が作曲家としてのデビュー作であり、以降も数多くのセガ発のアーケード作品の作曲を手がけることとなる。氏は体感ゲームサウンドの方向性、ひいては黎明期におけるセガブランドのサウンドの方向性を定めるうえで多大な影響を与え、時代背景を鑑みても音源的な制約が多い本作は、すでにそうした音楽へのこだわりが窺える仕上がりとなっている。サウンドトラックは複数存在し、曲名の表記が必ずしも統一されていない。

本作のメインテーマであり、全5コースすべてで流れるこの曲は、ド派手な見た目の筐体に負けず劣らずのインパクトを誇る一曲である。ゲーム中はバイクのリアルな駆動音が絶えず轟き渡るため少々聴き取りづらいが、それを踏まえたうえでも、シャープでメランコリックなロックサウンドは鮮烈さを印象付ける。寂寥感漂うイントロから始まり、伴奏のアルペジオやパーカッションの軽快なリズムを背景に、粘り強く同じフレーズを反復する。37秒あたりでようやくメインメロディーに入ると、ちょうどぴったり1分で早くもループへと突入する。短いながらもレース時の昂揚感と疾走感が凝縮された一曲である。

色褪せないとはこういうことですね。