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#374 『The Sky of Sadness』(猫叉Master/pop'n music 19 TUNE STREET/AC)

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コナミがおくるアーケード用音楽シミュレーション・pop'n musicより、

猫叉Master作曲、19の『The Sky of Sadness』。収録曲の一つ。

色とりどりの九つのボタンをリズムにあわせて叩くポップンシリーズのうち、ナンバリング19作目にあたる本作。2010年の暮れに稼働を開始し、音楽のあふれる街をイメージしたカラフルな作風が特徴である。本作から新型の筐体が導入され、音響が強化された他、液晶がワイドスクリーンになったことにより、プレイ画面が大幅にリニューアル、さらには電子マネーPASELIにも対応するようになった。恒例の隠し解禁イベントに相当するTOWNモードは、本作では独立した専用モードとして扱われていて、音ゲーのみならず街づくりも楽しめる。新筐体デビューを印象付ける意欲作に仕上がっている。

本作の収録曲はぜんぶで750曲以上、うち新曲はライセンス含めて約70曲となっている。一部の楽曲は超チャレンジモードのインターネットランキング課題曲として順次追加される形式を取っている。本作では例によって幅広いジャンルから数多くのアーティストが参加していて、猫叉Masterこと佐藤直之氏もその一人である。氏の専用ジャンルであるコンテンポラリーネイションシリーズの新曲はもちろんのこと、本作では初めてβ2名義を用いて、モフロックなるとても興味深い楽曲を提供している。

〈コンテンポラリーネイション5〉として、IR課題曲にて初登場したこの曲は、バイオリンを中心とした情熱的な民族音楽サウンドである。小気味よいドラムに異国情緒漂うシタールの音色、バイオリンとヴィオラの掛け合いが織り成す鮮やかなアンサンブルが抜群の聴き心地を誇り、静かに伴奏を務めるピアノが、激しさのなかに潜む哀愁を一際引き立たせてくれる。譜面に関しては、変則的な曲調ながらも意外に譜面ずれがすくなく、比較的素直なほうだが、二重階段やラストの怒涛の同時押しなど、関門となる要素も存在する仕上がりとなっている。

CDに収録されているロングバージョンは二倍以上の尺で、特に3分28秒あたりからのヴィオラ→バイオリン→ヴィオラ……の追いかけっこが至福です。あとついでにモフロックの『moffing』も、面白いのであわせてどうぞ。

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