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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#376 『The Food of Beasts』(Austin Wintory/Tooth and Tail/PS4・PC)

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Pocketwatch Gamesがおくるリアルタイムストラテジー・Tooth and Tailより、

Austin Wintory作曲、『The Food of Beasts』。メインテーマ。

Monaco: What's Yours Is Mineで知られるインディーディベロッパー・Pocketwatch Gamesの最新作である本作。ロシア革命を題材に、食糧の争奪を巡って擬人化された動物たちが、食うか食われるかの血生臭い戦争を繰り広げるRTSである。資源を集め、兵隊を組織し、相手の拠点に攻め込んで征服する、という流れで、シンプルなルールであるがゆえに短期決戦になりやすく、隙間時間に手軽にプレイできる。PvPのオンライン対戦の他、オフラインでのCPUとの対戦やストーリーモードなども搭載されている。

本作の音楽を担当するのはAustin Wintory氏。アメリカ出身の作曲家で、Pocketwatch Gamesでは本作以前にMonacoの作曲も手がけている。氏はMonacoでは全編ピアノソロのラグタイムを用いるという稀有な試みをしたが、本作でもそうした挑戦的な姿勢で作曲していて、時代背景に合わせて20世紀初頭のロシアの民族楽器を取り入れている。全体的に賑やかな楽曲が多く、本作独自の世界観の形成に大きく貢献している。

本作のメインテーマであり、PVやオープニングなど、場面に応じてテンポをいじられつつ幅広いシーンで流れるこの曲は、いかれた酔っ払いどもがこぞってどんちゃん騒ぎを起こしているかのような雰囲気を漂わせた一曲である。弱肉強食の厳しい自然観を表現するかのごとく、荒々しく奏でられる音使いは、ただ騒がしいだけに留まらず、ひそかな切なさをも内包していて、むさ苦しい歌声の大合唱が独特な空気感を生み出している。メニュー画面ではこの曲のインストアレンジが流れ、メロディーラインに込められた哀愁がいっそう顕著にあらわれる。

狂宴、ということばがぴったりな曲ですね。サウンドトラックの説明文の内容がなかなか面白いのも魅力です。メニューの『The Old South Distillery』、あわせてどうぞ。

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austinwintory.bandcamp.com