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#385 『いけ!月風魔』(浅田靖/悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair/X360)

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コナミがおくるゴシックホラーアクション・悪魔城ドラキュラより、

前沢秀憲作曲・浅田靖編曲、HDの『いけ!月風魔』。DLC第11章のステージ曲。

原曲は月風魔伝のフィールド曲、『行け!月風魔』。

ドラキュラ伯爵の討伐を目指して数々の仕掛けをかいくぐるダークファンタジー調の悪魔城ドラキュラシリーズのうち、ダウンロード専用の外伝にあたる本作。30分の制限時間内に全6章からなる各章を攻略していく、ステージクリア型のアクションゲームである。オンラインでシリーズ初となる最大6人までのマルチプレイに対応していて、協力モードで互いに助け合ったり、サバイバルモードで互いにしのぎを削ったりするなど、ソロプレイとは違った魅力が凝縮されている。DLCは複数回にわたり配信されていて、過去作のキャラクターやマップやBGMが追加される仕様となっている。

本作の音楽を担当するのは安慶名伸行氏、浅田靖氏、市橋康弘氏、伊藤泰久氏、佐藤淳史氏、広野智章氏、藤森崇多氏、本田晃弘氏、三浦憲和氏の計九名の作曲家たち。音楽制作会社ノイジークローク所属の浅田氏を除き、いずれもコナミ所属の作曲家たちである。過去作のアレンジ曲が多いなかで、市橋氏と広野氏が主に本作初出のオリジナル曲を手がけている。DLCの編曲は浅田氏が軒並み担当していて、氏の得意とするところの、熱いギターによるハードロック系のアレンジが多く収録されている。サウンドトラックはDLCの楽曲も含めて収録されている。

ドラキュラシリーズの作品でないにも関わらず、DLCのトリを務めた月風魔伝とは、1987年にファミコンで発売されたコナミの和風アクションRPGである。続編こそつくられなかったが、ワイワイワールドやポップンなど、コナミの作品に幅広く客演していて、中世ヨーロッパのゴシックホラー作品たる本作でもその例に漏れず、まさかの参戦を果たしている。第11章のステージ曲として流れるこの曲は、ファミコン音源で奏でられる素朴な原曲を、シャープでエネルギッシュなエレキギターにより絢爛華麗なアレンジを加えていて、ド派手な疾走感を漂わせている。ところどころ三味線の音色を響かせることで、原作の和の世界観を尊重している様子も窺うことができ、二十年以上の時を経て、まさしく時代を越えた和洋折衷が実現した一曲である。

月風魔伝といえば『龍骨鬼戦』も(こちらもHDでアレンジされていますが)非常に格好良いですよね。いつか紹介したいです。とりあえず今は、原曲の『行け!月風魔』(アレンジの際になぜか曲名の漢字表記が変わったようです)をあわせてどうぞ。

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