VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#390 『スカイタウン』(山本健誌/メトロイドプライム3 コラプション/Wii)

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レトロスタジオがおくるファーストパーソンアドベンチャー

メトロイドプライムより、山本健誌作曲、3の『スカイタウン』。

惑星エリシアのスカイタウンで流れます。

メトロイドシリーズのうち、主人公視点のシューティングアクションアドベンチャーに分類されるプライム三部作、その完結編にあたる本作。長らく取り沙汰されてきた放射性物質フェイゾンを巡る一連の騒動に終止符が打たれることになる。Wiiの特性を活かした直感的な操作性が魅力で、新システムとして導入されたハイパーモードおよびコラプションモードは、エネルギーを大量消費する分、戦闘力が飛躍的に向上するというハイリスクハイリターンな駆け引きが楽しめる。主人公のサムス以外にもバウンティ・ハンターが登場するのも大きな特徴で、個性豊かなキャラクターたちが織り成す物語は、三部作のラストを飾るにふさわしい堅実な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは田島賢氏、濱野美奈子氏、山本健誌氏の三名。いずれも任天堂に所属する作曲家たちである。このうち山本氏は三部作すべてに携わっているプライムシリーズのサウンドの立役者で、濱野氏はスーパーメトロイドフュージョンなど本家シリーズでの作曲経験がある。田島氏は外伝作のプライムピンボール以来、本作が二度目のシリーズ参加である。本作の楽曲は過去作のアレンジ曲もすくなくないが、初の三人体制になったことでオリジナル曲の幅も増え、禍々しさと神々しさが高度に融合した世界観を見事に表現している。

惑星エリシアは物語中盤に訪れることになるガス状惑星で、地表に住むことができない不毛の地である。そんななか、大昔に鳥人族チョウゾが建設した巨大な浮遊都市スカイタウンは、機械生命体のエリシアンが管理する、惑星内唯一の居住可能地域である。研究施設としての役割も果たしていて、重要な観測拠点でもあるこの場所で流れるのが、荘厳なコーラスが印象的なこの曲である。音階を奏でるハープに、絶え間なく鳴り響く鐘の音、天に召されんばかりの甘美な歌声が相まって、独特の浮遊感と耽美的な陶酔感を生み出している。音の一つ一つは微妙に噛み合っておらず、リズムは不安定だが、それでいて全体として恐ろしく統一感のある雰囲気を漂わせていて、その神秘的な曲調は、語源的にギリシャ神話における死後の楽園エリュシオンを想起させる。

ある種の『墜落船フリゲートオルフェオン』のリミックス、のようなものでしょうかね。ちなみにプライム4、首を長くして待ってます。開発延期は名作保証のようなもの……と勝手ながら思っていますので。

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