VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#392 『Mr. Handagote』(Tomáš Dvořák/Machinarium/PC)

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Amanita Designがおくるポイント・アンド・クリック系アドベンチャー

Machinariumより、Tomáš Dvořák作曲、『Mr. Handagote』。

ゲームセンター前の、Mr. Handagoteが作業している通りで流れます。

チェコのインディーデベロッパー・Amanita Designの代表作である本作。ロボットしかいない不思議な惑星で、誘拐された恋人のベルタを救うべく、ロボットのジョセフが冒険の旅に出ることになる。気になる箇所をマウスでクリック、状況に応じて必要なアクションを起こしていくことで、お手軽操作で歯応えのある謎解きを楽しむことができる。本作は全体としてサイバーパンク調でありながら、緻密に描き込まれた温かみのあるグラフィックが特徴で、台詞が登場しないかわりにイラスト付きの吹き出しで表現されるため、言語の壁を感じさせない仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはTomáš Dvořák氏。Floex名義でも知られるチェコ出身の作曲家で、同じくAmanita Designの作品では本作以前にSamorost 2での作曲経験がある。氏はアコースティックサウンドとエレクトロニックサウンドの融合を信条としていて、主にエレクトロニカアンビエントといったジャンルを得意とする。本作においてもその実力を遺憾なく発揮していて、いずれの楽曲も機械文明のなかの温もりを見事に表現している。

道中訪れるゲームセンターでは、実際に筐体を作動させてスペースインベーダーと思しきゲームをプレイする、といったゲーム内ゲームを遊ぶことができるが、そこに至る手前の通りにて黙々と作業しているのがMr. Handagoteである。その彼のテーマ曲という扱いなのか、彼のいる場所で流れるこの曲は、一見無機質だがその実、情緒あふれるフォークトロニカサウンドである。捉えどころのない抽象的なメロディー、それでいて琴線に触れるような繊細で奥ゆかしい音使いは、独特の没入感を生み出し、思わず溜め息が漏れるような安寧に満ちている。

登場人物の名前に半田ごてという日本語を用いていることになんだか親近感を覚えるような気がします。インタビューによるとこの曲は難産だったらしいですね。