VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#402 『タイトル』(須戸敏之・松岡大祐/ひらり 桜侍/3DS)

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グランディングがおくる居合いアクション・ひらり桜侍より、

須戸敏之・松岡大祐作曲、『タイトル』(仮称)。タイトル画面で流れます。

3DSのダウンロード専用タイトルとして登場した本作。攫われたコノハナサクヤヒメを救うべく、剣術を愛する少年・桜丸が得意の居合い斬りを駆使しつつ悪を成敗することになる。和風な世界観のもと、相手の攻撃を見切って、隙をついて刀で斬るというシンプルかつ爽快なアクションが特徴のステージクリア型アクションゲームである。敵の攻撃モーションは多岐にわたり、それに応じてうまく攻略する必要があるため、なかなかやり応えのある難易度を誇る。居合いならではの緊張感のある駆け引きを楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは須戸敏之氏と松岡大祐氏。音楽監修として山本健誌氏も参加している。いずれも本作の発売元である任天堂に所属する作曲家たちである。本作では純和風の作風に合わせて、和楽器をふんだんに取り入れた風情あふれる楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

タイトル画面で流れるのがこの曲である。桜の花びらがひらり舞い散る、あずき色に彩られた雅なタイトル画面を、悠然と流れる大河を思わせるような、しなやかでたおやかな旋律で心地良く彩る。イントロ明けすぐに奏でられる笛のフレーズは、弦のピチカートを交えながら美しく響き渡り、優雅であると同時にほのかな哀愁を漂わせている。1分18秒以降はピアノのしっとりとした音色を主旋律に持ってくることで、優雅さに磨きをかける。最後のサビに突入する直前、とりわけ1分54秒あたりから、その同じピアノをさながら和太鼓のように猛々しく扱うことにより、来るフレーズの印象を引き立たせ、鷹揚さのなかに威風堂々たる迫力を感じさせる。和風ならではの切なく美しく力強い一曲である。

お花見の季節に似合いそうですね。すこし哀愁が漂っているところがまた素敵です。