VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#425 『決戦、変革の境界にて』(近藤嶺/ダンボール戦機ウォーズ/3DS)

www.youtube.com

レベルファイブがおくるプラモクラフトSRPGダンボール戦機より、

近藤嶺作曲、ウォーズの『決戦、変革の境界にて』。ラスボス戦で流れます。

ダンボール戦機シリーズの3作目にあたる本作。ダンボール内でのホビー用小型バトルロボット・LBXを用いた対戦がますます白熱する近未来を舞台に、神威大門統合学園というLBXプレイヤーの養成校に転入した少年・瀬名アラタは、学園地下で独自に繰り広げられる世界戦争シミュレーション・ウォータイムに参加するうち、渦巻く陰謀に立ち向かうことになる。本作からジャンルがRPGからSRPGに変更され、RPGパートとシミュレーションパートの両方を進めながら、やがて明かされる世界の陰謀に挑んでいく。主人公はアニメ版の主役であるアラタとは別に、男女20種類から選べるゲームオリジナルのアバターを操作することになり、異なる視点からの物語を追うことができる。システム面や遊び心地に関連する要素にやや粗があるが、アニメ版とは違った切り口でシリーズの世界観を楽しむことができる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは近藤嶺氏。音楽制作会社T's MUSICに所属している作曲家で、ダンボール戦機シリーズには初代から欠かさず単独で参加している。また、アニメの劇伴も務めている。本作では近未来のロボットものらしいSF的な作風と、世界を巻き込むほどのスケールの大きい物語にあわせて、壮大で重厚なオーケストラサウンドが揃っている。サウンドトラックはアニメ版の音楽と兼ねての発売となっているため、ゲームの主題歌のかわりにアニメの主題歌が収録されている。

ラスボス機との戦闘で流れるのがこの曲である。世界各国の研究機関から略奪した軍事技術の結晶である機体との凄絶な戦いを彩るにあたって、手始めにピアノとストリングスを巧みに組み合わせた静かなイントロで始まる。そこにトランペットを追加して勢いをつけると、イントロ明けには一気に解放するかのごとく猛々しいコーラスが轟き渡る。以降、畳みかけるように勇敢で豪壮なメロディーラインが展開され、ちょうど2分あたりで初代のラスボス曲『希望と絶望の狭間で』のフレーズを引用するなど、一切の予断を許さぬ怒涛の盛り上がりを見せる。まさに集大成という表現がぴったりな、革命的な響きを帯びた一曲である。

2分以降の旋律、特に2分28秒過ぎから、すでに十分盛り上がっているところでさらにもう一段階、飛躍的な盛り上がりをみせるところが好きです。『希望と絶望の狭間で』(作曲者は同じ)もあわせてどうぞ。

www.youtube.com