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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#451 『大海原』(永田権太/ゼルダの伝説 風のタクト/GC)

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任天堂が手がけるアクションアドベンチャーゼルダの伝説より、

永田権太作曲、風のタクトの『大海原』。海を移動する際のフィールド曲。

ゼルダの伝説シリーズのうち、初めてゲームキューブ向けに登場した本作。さらわれた妹を救うべく、広大な海を冒険することになる。本作から今までのリアル志向なグラフィックからトゥーン調に変更され、普通の操作でアニメ映画の中にいるような感覚が味わえる独特な表現方法が楽しめるようになっている。喋る船とともに海を渡って様々な島を周遊したり、風のタクトを操ってダンジョンの仕掛けを解いたりするなど、世界観は一新されたが、ゼルダらしいきめ細やかなつくりこみは本作でも健在である。

本作の音楽を担当するのは近藤浩治氏、永田権太氏、峰岸透氏、若井淑氏の四名。いずれも任天堂に所属する作曲家である。近藤氏はおなじみゼルダサウンドに初代から携わっているが、他のメンバーに関しては、峰岸氏は前作のムジュラの仮面から、永田氏と若井氏は本作がゼルダシリーズ初参加となっている。このうち永田氏は本作のメインコンポーザーを務めている。本作の楽曲は、オリエンタルな雰囲気の漂う作風にあわせて民族音楽のエッセンスを取り入れているほか、過去作のBGMも本作用に違和感なく(ときに大胆に、ときにさりげなく)アレンジされていて、さらには状況に応じて曲が変化するインタラクティブな要素も組み込まれているなど、音楽への強いこだわりを感じさせる仕上がりとなっている。

本作のフィールドはいつものハイラル平原ではなく海であり、島々の間を移動する際は船で航海することになるが、そこで流れるのがこの曲である。本作ではケルトやフラメンコのようなエスニックサウンドが多く揃っているなかで、この曲は特定のイメージにとらわれない無国籍なオーケストラサウンドとなっていて、その壮大で鷹揚な音使いが、大海原を舞台とした大冒険を楽しく元気よく表現している。ストリングスの迫力あふれる伴奏にブラスの迫力あふれる旋律が重なることで、遥かな旅路への期待も不安もすべてが一緒くたになって、臨場感と昂揚感たっぷりに航海を彩ってくれる。その耳馴染みの良さから、本作を代表するメインテーマとも言える一曲である。

この曲は当時耳にたこができるくらい聴きましたが、初めて聴いたときに感じたワクワクとした印象が薄れることなく、未だに新鮮な気持ちでずっと聴いていられます。